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在外投票の実情と改善に関する提言
1999年に「公職選挙法の一部を改正する法律」が公布され、2000年6月の衆議院選挙で日本国外に居住する日本人がはじめて選挙権を行使することができました。以後、2001年の参議院、2003年11月前回の衆議院選、2004年7月の参議院選挙の計4回、いわゆる在外投票が実施されました。
しかし投票率が低い、投票手続きが煩雑、投票が国政選挙に限られる上、小選挙区が投票できない。など在外投票には問題が山積しています。国際化が叫ばれていますが海外の日本人の声が国政に反映していないのはおかしいことですし、在外投票を担当するのは在外公館です。日本の海外での情報収集能力のなさが「イラク人質問題」などで散発的にとりあげられることがありますが、その解決策として在外公館の機能強化も議論されたりしています。私は在外公館の根本的な改革こそが、日本の情報収集能力の向上、ひいてはわが国の外交能力の劇的な向上につながると確信しています。そういう考えの許、ここでは論点を「在外投票」に絞って考えたいと思います。
総務省によると、これまで4回の在外投票の投票率はおしなべると20%台、国内選挙の投票率の半分弱ということになっています。
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選挙人名簿登録者数
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投票者数
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投票率
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2000年衆議院選
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58,598
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17,013
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29.0%
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2001年参議院選
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73,651
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22,054
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29.9%
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2003年衆議院選
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73,740
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11,747
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15.9%
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(出: 総務省結果調)
-------------------------------------------------------- しかしながら、この投票率は在外日本人の投票率と考えることは根本的に間違っています。たとえば2003年衆議院選の時点で、海外に滞在する日本国籍を有する者は直近の数字(外務省海外在留邦人数調査統計)871,751名(3か月以上の長期滞在者:586,836名 永住者:284,915名)のうち「選挙人名簿」に登録した日本人の数が73,740名で、そのうち11,747名が投票したにすぎません。871,751名は未成年者が含まれていますので正確な有権者数は把握されていませんが、外務省によるとこの871,751名に0.75を掛けた数字が推定有権者数とされます。従って有権者
653,813名のうちの投票者が11,747
名ですので投票率は1.80%となります。「海外にいる日本人有権者100名の中で投票するのが2名以下」という現実は「憲法15条:選挙権」に関わる問題ではないでしょうか。
これに対し2003年衆議院選の後、総務省選挙部も「所轄官庁にとっても深く真摯にうけとめ改善に努めたい」としていました。在外投票を所轄する外務省も選挙公報費用として、全在外公館分:2億3百万円(うち主要地域公館における費用としてニューヨーク総領事館:5076万円ロンドン総領事館:4243万円、サンパウロ総領事館:1767万円)の選挙公報費を予算立てて、2004年7月参議院選挙に臨むとしていました。
それを確かめる意味でも参議院選直前の5月、ニューヨーク総領事館において在外投票に対する準備状況を調べてみました。5月までにニューヨーク総領事館が講じた措置は以下のようなものでした。
--------------------------------------------------------1日系企業、団体、政府機関に対する登録促進の働きかけ
1-1約800の日系企業・団体に対して、FAXを送信し、登録の呼びかけおよび出張受付の案内を行った。
1-
2邦人数の多い日系企業約40社に対しては、大使名の書簡を発出し、登録の呼びかけ及び出張登録の案内を行った。
1-
3政府関係機関・団体に対して、FAXを送信し、登録の呼びかけ及び出張登録の案内を行った。
1-
4日系企業団体との会合等の機会にも、登録の呼びかけ及び出張登録の案内を積極的に行った。
2来館者に対する公報
2-
1領事待ち合い室内に在外選挙のポスターを張り出し、申請書用紙及び記入例を置き、常時記入できるようにした。
2-2登録専用の窓口を指定し、登録申請者が待たなくてもすぐに登録できるようにした。
2-3来館した在留邦人に対して、未登録の場合には、登録するよう積極的に呼びかけた。
3邦人全体に対する登録の呼びかけ
3-
1当時日本語テレビのCM及び日本語ミニコミ紙の広告等を通じて、登録を呼びかけると共に、館員が日本語テレビ番組に出演し、登録を呼びかけた。
3-2日本食レストラン、日本食食料品店、日本書籍店等、在留邦人が集まる場所に登録を呼びかけるポスターやリーフレットを置いている。
4出張登録受付サービスの実施
4-1日系企業・団体事務所に館員が出向き、登録の受付を行った。
(計89社・団体を訪問し、計971人の登録を受け付けた。)
4-2遠隔地(フィラデルフィア、ピッツバーグ、バッファロー、ロチェスター、チャールストン、イサカ、プエルトリコ)に館員が出張し、同地の在留邦人の登録を受け付けた。
4-3多くの邦人が集まる日本食スーパー等において出張受付を繰り返し行った。
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2004年5月、ニューヨークでは「選挙人登録」を済ませたし有権者10名にもヒアリングをしてみましたが、2003年11月の衆議院選挙で実際に投票したのは1名のみでした。
「選挙人登録」とは『在外公館(ニューヨーク総領事館)で選挙人名簿登録を申し込みます。在外公館は外務省に申請書を送付し、外務省は転出届けのあった市町村選挙管理委員会に照会し、市町村選挙管理委員会は(本籍のある市町村で選挙権の有無を確認した上で)外務省に「選挙人証」を送付し、外務省が在外公館に送付した』「選挙人証」を受け取ってはじめて完了します。
折角「選挙人登録」を済ませたにもかかわらず、ほとんどの人が投票をしなかった最大の理由は「投票手続きがめんどうでだから」でした。在外投票には「在外公館投票」と
「郵便投票」2つの投票手段ができると法律で決められてありますが、2003年の衆院選においてニューヨークの有権者の選択肢は郵便投票のみで、在外公館投票が行われませんでした。
在外公館投票とは、たとえばニューヨークの有権者が在外公館投票を行う場合、(「選挙人証」をもって)ニューヨーク総領事館に出向いて投票する、という通常国内の投票所で行われる選挙に準じたものです。
2003年11月衆議院選当時の在外公館は実館大使館116
総領事館66
その他1の計189でしたが、衆議院選挙で在外公館投票が実施されたのは165であり、24の在外公館が在外公館投票を実施しませんでした。この中にはニューヨーク、リスアンゼルス、香港、ロンドン、シドニー、バンコク、シンガポール、サンパウロ、バンクーバーなどの大都市が含まれており、これは外務省の海外在留邦人数の都市別在留邦人総数の上位から順にならべた都市すべてで在外公館投票が行われませんでした。
ニューヨーク等"大票田"24都市の有権者は「郵便投票」はできました。
その有権者が郵便投票をする場合、
1.
選挙人証と申請書を、選挙権のある市町村選挙管理委員会に送付し、
2.
選挙管理委員会は、(該当する選挙の投票用紙を交付したことを証する捺印の上)選挙人証と投票用紙を在外有権者に送付し、
3.
有権者は、投票用紙を『投票日前日に着くように』選挙管理委員会に送付することによって、投票が完了します。
ニューヨークの場合太平洋を、ロンドンの場合シベリア上空を都合3回(1往復半)投票に係わる書類が『期日までに』行き来してはじめて「投票」が完了することになります。
「なぜ在外公館投票ができない公館があるのか?」との問いに対し、総務省選挙部は「在外選挙は外務省に委託しており管轄外、選挙の予算も外務省についている。ただ可否はセキュリティを勘案して判断したものと考える」と答え、外務省在外選挙室は「外務省では衆議院選挙に1.6億円の予算を計上し、在外投票を所轄しやれることはやった。公館投票の可否は現地の判断、総務省との協議等を勘案して判断した」と答えていました。
ただ総務省も外務省も2000年衆議院選挙では在外公館投票による投票9850、郵便投票による投票6324,
(帰国して投票839)、2004年衆議院選挙では在外公館投票による投票7094、郵便投票による投票4135,
その他(帰国して投票520)、いずれの場合も"大票田"で在外公館投票ができなかったにもかかわらず、在外公館投票による投票が過半数を占めている事実などを認めたのか、2004年7月の参議院選挙からは全在外公館において在外公館投票ができるようになりました。総務省も外務省はもとよりニューヨーク総領事館等全世界の在外公館は、飛躍的な投票率アップを見込んで緊張感をもって参議院選挙に臨んだはずですが、結果は、選挙人登録者数80,885、投票者数20,652(在外公館投票15,966名、郵便投票3,510、帰国投票1,179)でした。直近の在留邦人数は911,062名、推定有権者数683,297名からすると投票率3.0%です。在外公館投票は7094から15,966に倍増強、郵便投票は4,135から3,510に減、在外公館投票が投票率アップにつながることは立証されたのではないでしょうか。投票率も1.8%から大幅に増えたとはいえ3.0%、これではまともな選挙と呼べる状況にはいたっていません。在外有権者おおよそ70万人、これは衆議院小選挙区2つに相当する規模です。在外公館投票が投票率アップに役立つのはわかりました。それでも3%、在外有権者が投票しやすい環境、投票率アップの方策を根本的に考えていかなければならないのではないでしょうか。
私は国会・決算行政委員会の場でも次のような在外選挙改善策を主張していこうと考えています。
1洋上投票方式の導入
2投票場所の増設
3郵便投票の簡素化
1洋上投票方式の導入
不在者投票の一種として洋上投票という制度があります。総務省によれば洋上投票とは「指定船舶に乗船する船員のための不在者投票制度。従来の指定船舶の不在者投票を改善し、ファクシミリ装置を用いた投票を行うこととしたもの」であり洋上投票ができる有権者は「指定船舶に乗船して、日本国外の区域を高校しようとする船員で、選挙の当日、職務または業務に従事すると見込まれる者」とされています。
洋上投票は、実際に
1.指定船舶の船員から船長に洋上投票の申し出
2.指定船舶の船長が指定市町村の選挙管理委員会に投票送信用紙を請求
3.指定市町村の選挙管理委員会が投票送信用紙を指定船舶の船長に交付
4.船長が投票送信用紙を保管
<選挙の公示>
5.船長が船員に投票送信用紙を交付
6.船員が投票の記載をし、ファクシミリ装置を用いて送信
7.指定市町村の選挙管理委員会が投票を<ファクシミリ受信装置に受信>
8.指定市町村の選挙管理委員会が投票を封筒に入れ他の部分を封筒に貼付
9.指定市村の選挙管理委員会が船員の名簿登録地市町村の選管に投票を送致
10.投票管理者が投票
11.開票所にて開票
という手続きの流れで行われます。
指定市町村の選挙管理委員会とは船の母港のある選挙管理委員会のことです。
ここにあるファクシミリ装置は洋上投票用に開発された機械で投票の機密が確保できるようになっています。総務省の表現ではファクシミリは送信装置のような印象を受けますが、実際のファクシミリ装置は指定市町村の選挙管理委員会に据えられて、各船舶からの送信を受信して8.の『指定市町村の選挙管理委員会が投票を封筒に入れ他の部分を封筒に貼付』する作業は実際(東芝等日本のメーカーが開発した)ファクシミリ受信装置によって行われ、投票の機密も100%担保されるようになっています。
洋上投票の具体的な流れと技術的な点を述べますと『6.船員が投票の記載をし、ファクシミリ装置を用いて送信』のところで船舶にあるファクシミリ装置は従来どおり普通のファックスマシンでなんら特殊技術は必要ありません。ただ船上では『普通』のファックスに『特殊』な投票送信用紙を挿入して、船舶電話経由で、母港の指定市町村選管にファックスするだけです。母港の指定市町村選管は(選挙用に開発された特殊な)ファクシミリ受信装置で受信し、ファクシミリ受信装置は投票の機密が守れるように自動的に封かんして、(各船員の選挙区の)選挙管理委員会に郵便で投票用紙を送る、という仕組みです。
またこの洋上投票では比例区も小選挙区も投票できますが、一方、在外投票では「当分の間、衆議院・参議院とも比例代表選出議員選挙に限られています」
総務省によると「洋上投票は不在者投票の一種であり、不在者投票は比例区、小選挙区の投票ができるので洋上投票においても両方投票できる。在外投票は不在者投票の一種ではなくあくまでも在外投票という新しい制度なので投票を当分の間、比例区に制限してもおかしくない」ということになります。この理屈はおかしくないですか。選挙を担当する公務員の選挙に関するウンチクをきくまでもなく、投票の制限は憲法違反です。憲法違反の状態はなんとしても改善していくべきです。不在者投票です。
在外投票で比例区に加えて小選挙区の投票もできるとなると投票率は上がるはずです。であるならば「洋上投票が不在者投票で、在外投票は不在者投票でない」というような議論は海外の有権者によりより投票環境:少なくとも洋上の有権者と平等の環境を提供するのが、選挙を担当する公務員の仕事のはずです。
陸上自衛隊と海上自衛隊
自衛隊のイラク派遣が問題になっています。このことに対する賛成反対の議論をここですることは致しません。イラクに派遣された陸上自衛隊の皆さんとインド洋に派遣された海上自衛隊の皆さんとでは、選挙権に非常に大きな格差が生じています。
イラク特措法にもとづいてイラク及びクウェートに派遣されている部隊は陸上自衛隊約600名、航空自衛隊約200名です。一方テロ特措法に基づきインド洋に派遣されている部隊は約600名です。2004年7月参議院選挙において投票した人数に関して、防衛庁からは「インド洋の海上自衛隊の約600名」という回答を得ました。要は、インド洋の海上自衛隊は「洋上投票の制度に則ってファクシミリで比例区小選挙区を投票できる環境」が与えられ、結果ほぼ全員が投票という権利を」行使したことになり、一方イラクの自衛隊は「在外投票の制度を利用する環境も与えられず投票権を」行使できなかった。ということになります。「イラクの駐屯地にファクシミリ装置・投票送信用紙を準備し日本にファクシミリすること」など、日本の技術、自衛隊の技術をもってすればいとも簡単な話ではないでしょうか。私は、イラクで汗する自衛隊の諸君の選挙権をほったらかしにできる今の政府の神経に腹立たしささえ感じます。
さらには、選挙に関わる行政当局が、在外投票の投票率が2%、3%
にとどまる現状を「本当に深刻に受け止める」ならば、あらゆる手段あらゆる可能性をとらえて現状の改善に努めるべきではないでしょうか。であれば枠組みもきっちりした自衛隊の中に「陸(イラク)と海(インド洋)にみごとに同数600ずつ揃った海外の有権者が整って存在するというような環境をも「在外投票に、洋上投票の仕組みを導入し、日本国外にいるすべての有権者が比例・小選挙区2票投票できる環境を導入するモデル」として活用することなども、本来至極当然の話ではないでしょうか。
1997年11
月「当分の間在外投票を比例区に限る」ことについての質問に対して当時の自治大臣は「候補者の氏名、政見、所属政党等が周知されていることが必要でございまして、選挙運動期間の12日ないし17日の間にこれらを海外の有権者に周知徹底することは困難な状況にある。(中略)また在外公館にとって選挙事務は初めてのことでもございまして、まず比例代表選挙からはじめまして、その事務処理体制を見極める必要もあるのではないか、このように考えておるところでございます。在外選挙につきましては、まず比例代表選挙から実施をいたしまして、選挙情報の具体的な周知の状況や在外公館の体制を十分見た上で、次の段階として衆議院小選挙区選挙及び参議院の選挙区選挙の実施を図ることが適当と考えておるところでございます。」と答えています。
"当分の間"について
"当分の間"在外投票を比例区に限る というのは公職選挙法の附則に記載されており法律ではありません。しかしこの附則に"当分の間"を記すことによって「"当分の間"をどれくらいの期間とするのか」は行政の裁量となります。"当分の間"ということばを日本の法令で検索してみましたが、少なくとも1000以上あって検索不能でした。"当分の間"に限らず法律に行政の裁量が入ってしまうのは、法律を創る仕事を行政(霞ヶ関の役人)に任せっきりで、立法府(永田町の国会議員)が法律をつくってこなかったことに、そもそも起因するのではないでしょうか。
ともあれ1997年から7年、先の参議院選で国勢選挙も4回執行されました。さらには「選挙事務」を担当するのは在外公館の中でも領事移住部です。2004年8月から外務省内でも領事移住部は領事局に格上げされ、在外公館の体制も拡充されています。次回選挙までに在外投票を洋上投票と同じく比例区・小選挙区2票投票できる環境を整えるべきではないでしょうか。
投票場所の増設:暫定在外公館の設置
さらには、在外公館投票が在外公館で行われなければならないとは法令にはありません。"在外公館の長が管理する投票を記載する場所"とあります。
189の全在外公館において国内の投票所に準じた環境を有権者に提供することは当然のことですが、在外公館の他、海外にはさまざまな公的機関準公的機関の出先があります。例えば選挙の現場を選挙管理委員会は各地方公共団体に所属していますが、その各地方公共団体は財団法人自治体国際化協会(CLAIR)という組織を1988年に設立しました。CLAIRの設立趣旨は「地域における国際化の気運の高まりを受け、こうした動きを支援し、一層推進するための地方公共団体の共同組織」であり、現在CLAIRはニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ソウル、シドニー、北京の7ヶ所に海外事務所をもっています。外務省に密接な関係をもつJICA(国際協力機構)は海外56ヶ所に事務所があります。経済産業省に近いJETRO(日本貿易振興機構)海外57ヶ国76ヶ所に事務所を構えています。
CLAIR, JICA,
JETROの事務所を選挙期間中、在外公館の長が管理する選挙事務所とすれば139ヶ所の投票所ができます。「本来の目的にそぐわない」「独立行政法人化されたから」等の理屈は、これまでわが国では選挙にしろ狂犬病の予防にしろ、公益に供するためどれだけ小学校中学校の校舎が活躍してきたかを考えると、口にできるものではありません。
CLAIR, JICA,
JETRO等の選挙管理能力の問題も、洋上投票の場合を考えるとあり得ません。洋上投票では、投票送信用紙の管理は(選挙など全く職域に想定してこなかった)漁船等の船長に委ねられ問題なく選挙は行われています。すくなくとも公的な仕事を職業に選んだ独立行政法人の現地責任者が、現地在外公館の長の管理の許で粛々と選挙を進めることは、漁船の船長の洋上投票同様問題ないはずです。
在外公館の他でも在外投票を実施するという考え方に対して外務省からは「在外公館は現地法の適応外であるが、その他の場所で日本の国政選挙を実施すると内政干渉の可能性がある」という反応もありました。
アメリカでもドイツでもインドでもエジプトでも世界中の国で日本の国政選挙を日本の公館外ですることが、内政干渉となるかどうか私は次回国会議員白書2005を出すまでに調べて皆さんに報告するつもりです。そもそもそのような仕事、日本国民のためになる仕事は本来、日本の在外公館の仕事です。在外公館が現地で「投票所の在外公館外への拡大」を相手国と交渉すべきです。相手国がもし難色を示すのであれば在外公館の長は「御国の内政に干渉するものではない」ことを説明すべきです。もし説明も交渉もできないのであれば、できるような在外公館の長が赴任してしかるべきではないでしょうか。
以上をまとめると、
「在外有権者は、洋上投票の場合のように比例区と小選挙区を、在外公館のみならずそれに準ずる組織の事務所において、(ファクシミリ投票が法律で認められた)洋上投票のためにつくられた「投票送信用紙」に、洋上投票同様比例区・小選挙区の2票を記入し、外務省(選挙室)に宛てて送信する。外務省(選挙室)は((洋上投票の場合の指定市町村選挙管理委員会に準じて、洋上投票用に開発された)ファイクシミリ受信機を配置し、全世界の投票所から送信された「投票送信用紙」を受信し、投票用紙を封かんし、それぞれの投票者が該当する選挙区へ郵送する)環境、一言でいうと「洋上投票に準じた環境」を早急に在外投票にも構築するべきだと考えます。
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