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159回 外務委員会 15号 2004/04/28
○米澤委員長 次に、加藤尚彦君。
自民党の委員の方、早目に御出席方を要請してください。(発言する者あり)
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○米澤委員長 速記を起こしてください。
加藤尚彦君。
○加藤(尚)委員 民主党の加藤でございます。
気がそがれた感じがしたけれども、気を引き締めて質問させていただきたいと思います。
まず冒頭、WHOの条約提案省として一つだけ、簡単に伝えたり、そしてお願いしたりしたいというふうに思います。
大臣、副大臣、これは御存じですか。これは、こっちはファイヤーブレイクというんですよ。こっちはニコレット・ミントというんですよ。見たことありますか。――ない。これはもう既にキヨスクで売っています。こっちは薬屋さんで売っているんですよ。しかも、キヨスクで売っているこのファイヤーブレイク。これはなぜこんな質問を国際情勢の問題で言うかというと、やはり国際情勢を議論する場合、柱は世界の子供たちをどうするんだ、日本の子供たちをどうするんだということの観点から、条約提唱国、提案省として、質問するんです。
これはガムなんですけれども、しかもここに、見えないでしょうから後でお渡ししますけれども、「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」それから「喫煙マナーをまもりましょう」、こう御丁寧に書いてあるんです。これはガムなんです、たばこガムというんですけれども。しかも、これは十個入っているんですけれども、二百八十円もするんですけれども、ガム一個当たり、一センチ四方ですけれども、これにたばこ一本分のニコチンが入っているんです。ちゃんと表示されているんです、一本について一ミリグラムと。
しかも、こっちは武田薬品だから、名前を言っちゃいかぬかもしらぬけれども、日本を代表するメーカーですね。そこが、ニコレットといってテレビでもどんどん宣伝しているんですけれども、このガムをかむとだんだんたばこがやめられるようになるよというんだけれども、こちらのガムの方は一個についてたばこ二本分のニコチンが入っている。
なぜ大きな声を出すかというと、この二つがキヨスクとか薬屋さんに売っていて、そして、やはりいわゆる副流煙といいますか、そういう問題については減煙されるからいいかもしれないけれども、実は子供が目をつけちゃっているんです、子供が。この前財務省に来てもらって質疑したんですけれども、青少年がたばこを、年間の売り上げの一一%を協力しているというわけです。その額は四千億とも五千億とも言われている。この国は異常なんです、異常なほど子供を守っていないという意味で。
それでこのことを申し上げるんですけれども、これは、こちらは厚労省、こちらは財務省ということになるんですけれども、うそ八百の広告も出しているわけですね。いわゆるたばこ規制の広告の問題について一番大きな問題ということを、議論をこの外務委員会でも私はした経緯がありますから、その意味で、でき得るならば厚労大臣とか財務大臣とか、あるいは関係者も呼んでとか、あるいは総理そのものにも意見も聞きたいぐらいなんですけれども、閣僚会議で機会があったら、こんなたばこが出ていますけれども知っていますかということで、機会があったら、外務大臣、お見せしていただきたいというふうに思います。これは見解を望みません。
質問に入りたいと思います。
私は、きょうはASEAN、日本とASEAN、これについて中心に御質問をさせてもらいたいというふうに思います。
東京宣言、日本とASEAN、そして域外での開催ということで、さきの条約審議のときにもそれぞれ各党派で評価をしていました。私も高い高い評価をしている一人なんですけれども、問題は、どう生かすかなんです。この経緯を少しだけ、これは大臣に答えていただかざるを得ないんですけれども、昨年の六月、カンボジアでASEANプラス日本の外務大臣の首脳会議があった。
そのときに、外務省の事務方の努力で、何とか東京における首脳会議については憲章にしよう、憲章に持ち込みたいと。このいわゆる首脳会議の結論を、いわば条約に匹敵する憲章まで持ち上げたいということであったんだけれども、結局、宣言になってしまった、つまり政治的発言のみになってしまったということなんですけれども、この辺の経緯はちょっとお知らせいただきたいと思うんです。
つまり、日本の事務方は東京での首脳会議を憲章まで持ち込もうとしたんだけれども、結局宣言どまりになってしまったという経緯について、ちょっと御説明をしていただけるならばお願いします。
○川口国務大臣 ASEANと日本との間で、共同の何らかの種類の文書を出そうという話はずっとございました。そして、おっしゃったカンボジアでの会合、会議の際にもその話は出ましたし、それ以降、十二月に向けての準備の過程で、もうずっとその話をいたしました。
それで、その内容に何を盛り込むかということについて、これは、それはそれで議論をいたしましたけれども、それと別途、いかなる名前で呼ぶかということがもう一つのテーマとしてあったわけです。そして、その名前については、いろいろな国がいろいろなアイデアを持ち込み、それについて、最終的に宣言ということになった。我が国として一時期憲章という言葉を考えた時期もございましたし、ASEANの国の中には、それでいいではないかというふうに言った国もございました。
いろいろな国のいろいろな立場というのがあって、落ちつくところに落ちついたということで、その名称が何であるかということは、そこに盛り込まれた内容に何ら影響を与えていないというふうに私は考えております。
○加藤(尚)委員 その御説明で理解をしようと努力はいたしますけれども、当時、ASEAN諸国は全方位外交をやっているわけですね。しかも、一九六七年は、オーストラリア、ニュージーランド、日本、いわゆるASEANプラスということで全方位外交をやっているわけですね。その中の一つに日本があるということなんですよ。
だから、その意味で、域外で、日本でやるということについては、結構ASEAN諸国は、中国のことを頭に置いたり、アメリカのことを頭に置いたり、その他の国々のことを頭に置きながら、東京での首脳会議の価値を余り大きく、各国の批判、非難が出るからということで、そういうおそれもあって、特に中国に気兼ねして、いわゆる東京宣言、つまり政治的判断、つまり憲章まではいかなかったという経緯を聞いていましたので、それで御指摘だけしておくわけです。
いずれにしても、私自身、二十一世紀はアジアの時代という持論の一人なんです。一九七〇年代、つまり福田ドクトリン、あれは物すごく大きな意味があって、市会議員当時の私もすごく刺激を受けて、それ以来、特にアジア政治、アジア外交について興味を持ちながら、アジア歴訪も数々これまでやってきたつもりなんですけれども、今申し上げましたように、ASEANの方では全方位外交なんですよ。ところが、ASEANに、福田ドクトリンでは十億ドル、当時で十億ドルですから、一九七七年ですから、今からいえばその数倍のお金をつぎ込んだわけです。
そのつぎ込んだお金の意味について後でちょっと触れたいと思うんですけれども、いずれにしても、福田ドクトリンを契機として、日本とASEANという関係がさらに大きく発展したと思います。その中で東京で首脳会議ができたということ、そして、これから事務的な会議があって、外相会議があって、また首脳会議がことしじゅうにある、そういうスケジュールの中で、ASEANと日本とのことについて、殊さら東京宣言、つまり東京首脳会議での意味合いを大きく評価しているんです。
とはいえ、ASEANの方では、全方位外交の中で、ASEANプラス日本だけを意識したいわば関係をつくろう、あるいは構築しよう、あるいはそれを最も大事にしようという空気を感じられませんので、その意味で、もう一回、本当は大臣に冒頭お大事にしてくださいということを言うつもりだったんですけれども、それを承知の上で答えていただければと思います。
○川口国務大臣 ASEANと日本の関係というのは、特殊なといいますか特別な関係であるということを、我が国もそしてASEANもそう思っているということをまず申し上げたいと思います。
委員が、全方位外交あるいはASEANが中国に気兼ねをしてというふうにおっしゃられましたけれども、そういうことではなくて、ASEANも日本とASEANの関係はほかの関係にない特別な関係であるということを認識しているということを我々は強く感じておりますし、またASEANからも聞いております。
先ほどのチャーターとの関係でいえば、それは中国に気兼ねをしてそういうことをやめようということでは全くなくて、私が自分の耳でASEANの国々の人と話をして聞いておりますことは、チャーターという言葉、これは、行動計画の中を見ていただくと、あるいは宣言の中を見ていただくとおわかりになられると思いますけれども、決して強制色のないものである。それは、チャーターという言葉は、一部の国々においては、非常に強制色といいますか、やらなければならないということの色彩を帯びている言葉であるということからむしろきているということで、中国の存在ということについてはこれとは全く関係がないというふうに私は理解をいたしております。
それで、ASEANがなぜ日本と特別な関係にあるかということを彼我双方認識しているかということですけれども、これは委員がおっしゃられた、まさに福田ドクトリンから始まる長い三十年にわたる日本とASEANの関係があります。
それで、この中で日本がASEANの中に築いてきた資産ということでいいますと、まず、ASEANにとって日本は米国と並ぶ最大の貿易相手国でございます。二〇〇一年の数字でちょっと古いですが、米国二一、日本二〇%、中国はまだまだ低いということであります。
それから、投資ということを考えたといたしますと、日本は最大の投資国であって、これは累計ベースでいって、日本が二割、そしてEUが一六%、中国の投資というのは本当に一%に満たないという数字であります、中国からの投資ですね。
それから、ODAの供与ということでいいますと、日本はASEANが受けているODAの八割を実に供給している国であります。アメリカといえども、けたが一つ違うということであります。
旅行者の数、日本は、ASEANとの関係でいうと、これも最大の域外からの旅行者数であります。
ということであって、日本が三十年間かけてASEANとの間で築いてきたこと、そして今後ASEANとの間で築いていくこと、これをASEANはきちんと認識をしていて、日本との関係は特別な関係だと思っている。であればこそ、初めての域外の首脳国の会合が東京でできたということであります。
それで、ASEANとの関係についてももう一つちょっと申し上げたいんですけれども、福田ドクトリン、これは非常にASEANと日本との間の関係をつくるという意味で大きな意味を持ったというのは先生の御指摘のとおりだと思います。ここで心と心の触れ合いということを福田総理がおっしゃられて、ASEANの工業プロジェクトに対して総額十億ドル、当時出したということでございます。
こういったことを通して日本はASEANの非常にいいパートナーとなってきたということですし、最近では、小泉総理が東アジア・コミュニティーということを言われて、さらに一歩進めて、ともに進む関係、ともに行動する関係、そしてともに進歩する関係、これは、もはや発想として日本はASEANと一体である、ともに東アジア・コミュニティーをつくっていくんだという考え方であって、福田ドクトリンのときのよき隣人ということからさらに一歩進んで、日本はASEANの一部である、日本とASEANは一体であるということを言っている。
そういう意味で、日本とASEANは特別な関係である、日本とASEANは一緒であるということを日本はASEANにきちんとメッセージを送り、そしてASEANもそのように思っているということであると私は考えております。
〔委員長退席、増子委員長代理着席〕
○加藤(尚)委員 きょうは、ASEAN関係で十二項目の質問を予定しているんですけれども、四十分ということだから、全部が全部質疑できないかもしれない。でも、今のお話の中で、やはり福田ドクトリンの意味は、いわゆるフィリピンでの、マニラでの発言は大変歴史的に大きいというふうに思っています。しかも、今大臣がおっしゃられたように、要は心と心の触れ合いなんだと、ピープル・ツー・ピープル、つまり市民対市民とか、この辺を重点的に置いたんですよね。
先ほど議論の中で、政治、軍事力とか経済力とかというお話がありましたけれども、福田ドクトリンでは、日本は政治や軍事力というものを一切持ち込まないということをドクトリンで明快に明言したことが、アジア各国に拍手喝采を受けたわけですよ。そのとおりの方向で私も今後見ていきたいというふうに思っています。
そしてさらに、本当は時間があれば、福田元総理の十億ドルについての検証を、これもしなくちゃいけないんだけれども、それはまた別の機会に求めていくんだけれども。要は、ASEANにとって日本はかけがえのない国、そういう解釈が日本側にあるんです。でも、ASEANにとって日本がどこの国よりもかけがえがあるかどうかということについての議論は割とない、ないとは言わないまでも、そんなにストレートに耳に入らない嫌いがあるんです。
というのは、私の知る限り、今ASEANの中で、日本人を評してということで、質問を結構することがあるんですよ。そうすると、大体お世辞を言ってくれるんだけれども、中には辛らつに、世界で最も下品な国だ、国民だということを言っているのがいるんですよ。これは許されない。こんなに親しい気持ちを持っていて、こんなにたびたびアジアに来て何か仕事をしようとしているのに、下品な国民とは何事だとそこで物すごい議論をするんですけれども、議論倒れで、議論で終わっちゃうんですけれども。
いずれにしても、ASEANの人たちにとって日本はかけがえがあるかどうか。日本にとってASEANはかけがえがないと言っているんだけれども、ASEANにとって日本はかけがえがあるかどうかについての印象を、もう一回、再度お願いします。
○川口国務大臣 私見を申し上げるということでございますけれども、私は、ASEANの国々というのは、地政学的に、アジアのあの場所にあって、中国という大きな国をすぐそばに持ち、ずっといろいろな意味でバランス感覚ということを非常に研ぎ澄まし、大事にしてきた国々であるというふうに思っております。
それで、そういう国でありますから、常に、いわば、ちょっと言葉は不適切かもしれませんけれども、できるだけ大勢の恋人を持っている。そして、日本はその中で一番古く、一番頼りになり、一番自分のことも考えてくれる相手であるということをきちんと思っている。ただ、同時に、新しい恋人、もしかしたら何かやってくれそうな人もいる、この人にも冷たくできない、そういう感じがあるのではないかというふうに思っております。
ただ、ASEANの心の中で、これは表にどのような出し方をするかということは、いろいろ複雑に出てくるということであると思いますけれども、基本的に、日本が一番ASEANのために今までやってきた国であって、頼るという意味で、一番頼れる国と自信を持ってASEANが考えているというか、それしかないと思っているのは日本である。
ちょっと例が不適切であったかもしれませんが、そういうことだと思っております。
○加藤(尚)委員 不適切じゃないと思います。要するに、恋人同士のような、そんな心と心の触れ合いのある日本とASEANだという考え方でいいと思うんです。福田ドクトリンでは、僕がもっと若いときに感銘を受けたのは、やはり軍事や政治じゃないんだ、むしろ文化とか教育とかそういうことを特に力点に置いて、そして人と人ということを言ったわけですね。小泉総理が今度の東京宣言で発言をしているのは、やはり同じような表現を、素直な関係ということで言っております。
そういう意味でいいんですけれども、要は、かつての日本はアジアの父親役なんてことを言ったことで誤解されたり、結果もよかったり悪かったりいろいろありますけれども、今は総括しませんけれども、でも、少なくとも、福田ドクトリン以来ASEANとの関係がうんと広く広がったということは、間違いなくそういう評価でいいと思うんです。
その中で、私は、日本というのは、恋人もいいけれども、母親役というか、マザーズマインドスピリットという言葉を僕はよく使うんですけれども、つまり、アジアに対して、ASEANに対して母親役、その中で何が重要か、何が大事で、何がアジア、ASEAN諸国に受け入れられるかということの議論が、当然外務省にもありながら、特に、後でちょっと触れますけれども、在外公館の役割というのは物すごく大きくなるというふうに私は強く思っているところであります。
それで、このたびの行動計画、何回も何回も目を通しましたし、そのいきさつ、流れについても説明をいただきました。その中で、特に、今も御指摘申し上げました教育、文化の項でも、四番ですけれども、人材交流、育成、社会文化協力、こういったことを大きく大きく取り上げております。マレーシアとの国際工科大学の設置であるとか、あるいは特に、留学生支援で一万人受け入れましょうということなんですけれども、これも、これは質問にしたいと思うんですけれども、一万人留学生を受け入れますよ、あるいはかつての総理が十万人受け入れると、それは実施されたということも評価しますけれども、むしろ、ASEANとの関係については、日本の青年たち、日本の学生がASEANに留学する、そちらの方に力を入れてくれることをASEAN諸国は願っているわけであります。
その意味で、行動計画の中で、留学生促進という意味で、ASEANから日本に今後一万人をということなんですけれども、ですから、日本からASEANへの留学生の派遣についての考え方についてお聞かせください。
○近藤政府参考人 お答えいたします。
日本とASEANとの交流をもっと進めるべきである、特に留学生をより多く受け入れ、かつ日本からもより多く派遣をしていくべきであるということは、委員御指摘のとおりでございます。
政府といたしましても、数年前から日本人の留学生をASEANに送るためのシステムをつくりまして、今後ともますます留学生レベルの交流が質量ともに拡大していくように努力をしているところでございます。
○加藤(尚)委員 引き続き努力してください。
と同時に、やはりASEANに、ロータリークラブとかライオンズクラブとかソロプチミストクラブとか、あるいは民間のNPOとかNGOとか、前回の質疑でも、こちらの委員から、私たち議員で学校をプレゼントしているという話もあったけれども、結構民間レベルでASEANに協力しているわけですよ。外務省は、大きな予算で、経済中心にということで、しかも、それをさらに深めて、人的交流とか人材育成とかいうことにだんだん広がり出した。非常にいい傾向だと思うんです。
この際ですからお聞きしておくんですけれども、ASEAN諸国に、民間レベルで学校とか病院とかあるいは文化施設とか、もう数々の実績があるんですけれども、おわかりになったら、ちょっと教えてください。
○近藤政府参考人 お答えいたします。
日本とASEANとの交流を進める上での民間レベルでのいろいろな交流が進んでいることは、御指摘のとおりでございます。
特に最近は、NGO、NPOといった民間のレベル、あるいは地方の自治体のレベルでいろいろな仕組みがふえております。
政府といたしましては、こういった交流の担い手と緊密な連絡をとりながら、それぞれ共通の目標に向かって、そしてそれぞれがそれぞれの特性を生かしながら日・ASEANの交流を進めていく、そういうことができるように連絡を密にし、連携を密にしていくということを行っているところでございます。
具体的に、いろいろなシステム、施設、メカニズムはございます。そういったものをできるだけ正確に把握をしながら、お互いに連携をとっていきたいと思っております。
○加藤(尚)委員 把握するのが大変なぐらいたくさんの民間レベルでの実績があります。そのことはすごく評価されておる。
一方で、これから政府が、外務省がASEANとの関係で、ASEANにとって日本がかけがえのない国かどうかという、そういう実績評価がこれからますます必要だということをさっきから申し上げているんですが、それは、やはり中国の南下政策ですね。
この前もこの委員会で議論したんですけれども、タイ、ミャンマー、ベトナム、カンボジア、ラオス、この五カ国が所在している半島については、いまだに日本ではインドシナ半島と言っている。それは間違っていますよと私は申し上げました。これはまだ消えていないところでありますけれども。というのは、私が知る、ベトナムでもあるいはタイ国でも、そしてミャンマーでも、インドシナ半島などと言ってくれるなと言うんですよ、インドシナ半島と。では、ASEAN半島はどうだと僕の方で言ったら、それはいいというふうに、これは政府の関係者ですよ、そういう発言もあるわけです。
つまり、このインドシナ、インド、中国という、それで中国は南下政策をやっている。インドも、かつての歴史的な経緯から見ても、やはりいわゆるインドシナ半島に対して相当政治的野心があったわけですし、また、今後も、今のバジパイ首相が、今までインドは欧米に力を入れ過ぎた、これからASEANに力を入れよう、東進しよう、こういった発言をしながら、現実問題として、ニューデリーからプノンペンまで、あるいはホーチミンまでかな、鉄道をつくる構想があるわけですよ。そうすると、鉄道というのは大量輸送できることだから、これを本気で取り組むと言っているんです、インドの力で。
そうすると、日本にとってASEANはかけがえのない国と思っているんです。でも、ASEANにとって日本はかけがえがあるかどうかということについては、例えば、先ほど大臣もおっしゃったように、経済的な意味からいっても、あるいは観光的な意味からいっても、いろいろな意味からいってもアメリカの後塵を拝していることが多過ぎるんです。
つまり、アメリカも内々にASEANに対して物すごいエネルギーを使っているんです。そして、あらゆる順位で、おつき合いの中で一位を占めている。日本はたまに一位を占めているところがありますけれども、大概アメリカであるということから見ても、やはり世界のリーダー国、あるいは中国、インドも含めて、ASEANに対しての思い入れが物すごいんです。だから、ASEANにとってだんだん強気になってきたというのは私はやむを得ないというふうに思います。
その意味で、中国の南下政策あるいはインドの鉄道を初めとした東進政策、そういったことが現実に、しかも、これから発展もし、そしてさらに物すごい発展の予測ができる大国が、アメリカも含めてだけれども、ASEANに集中してくる。そうすると、日本が三十年営々と培ってきた投資にしろあるいは関係にしろ、吹っ飛ぶおそれがあるんです。
だから、要は、この国の政府、外務省、そして私たち国民一人一人の心構えというか気持ちが、もっと強くASEAN政治、ASEAN外交、そういったものを意識しなくちゃならないというふうに思うわけであります。
その意味で、再度、私たちが思うASEAN、ASEANが思う日本との関係にずれがあるかどうか、ずれが出始めたんじゃないかと大変心配しているんですけれども、いま一度御答弁をお願いしたいと思います。
〔増子委員長代理退席、委員長着席〕
○逢沢副大臣 今加藤先生御指摘のように、ASEANの立場から見ますと、北に、巨大な人口を擁し、そして経済発展も著しい中国、そして西側には、これまた大きな人口を擁し、昨今ではインドにおいても大変経済的にも明るい展望が開けつつある。そしてインド側からも、ASEANに対してさまざまな形で積極的なアプローチが行われている。そして、ASEANの立場からいたしますと、東に向かっては太平洋が広がり、そして日本が位置をしている。
そんな環境の中で、先ほど大臣も答弁をされましたように、歴史的にも大変研ぎ澄まされたバランス感覚をASEANの各国自体が持っている、そのように私どもも認識をいたしているわけであります。そんな中で、日本とASEANは、まさにお互いがお互いを必要としている特別な関係である、そのように思います。
日本にとりまして、先ほど委員の方から、どうも、対ASEANを展望したときに、アメリカがいろいろな意味でナンバーワンの立場だというふうにおっしゃられたわけでありますが、先ほど若干大臣の方からもお話ございましたように、例えば、ASEANにとって日本は最大の域外投資国、つまりASEANに対してどの国が一番たくさん投資をしてくれたか、その実績ではやはり日本が一番でございますし、またODAにつきましても、日本からASEANに対するODAが一番大きな実績を持っているわけであります。そのことを恐らくASEAN側も正しく認識をしている。
その結果が、委員もまさに御指摘をなさいましたように、去年の十二月、いわゆるASEAN域外では初めてASEANの首脳が全員集合する東京会議が開かれました。特別首脳会議が開かれたわけであります。そして、東京宣言が発出され、実に百二十もの項目を擁する行動計画が合意をされ、まさに特別な関係の日・ASEAN関係をさらに加速していこうということで、首脳間同士の合意がなされ、それぞれの分野で大きく既に動きができてきている、そのように私たちは高く評価をいたしたいというふうに思っております。
ASEANが大変研ぎ澄まされたバランス感覚を持っている、そのことを理解しつつ、より積極的に日・ASEAN関係を展開するということは、アジア太平洋地域の安定、繁栄にまことに大切である、そのような認識を恐らく委員とともに共有ができるものと承知をいたしております。
○加藤(尚)委員 そういう評価、または、いわば認識でいいと私も思っているんです、実は。
ところが、中国にしろインドにしろ、またその他の国々にしても、日本が時間をかけて投資をして投資をして、そしてやっとASEANが、国によっては二けた、あるいはどんな発展途上で数字が悪いところだって四%、五%の経済発展がある。これは日本の努力だと思っているんです、僕は。ところが、だんだん発展してくると、世界じゅうから、これはASEANは商売になるということであの手この手なんですよ。そのことを言っているんですよ。
その意味で、やはりASEANあっての日本という理解の中で、私は、アジア全部を考えて国際政治を考えていきたいという考え方を持っているものですから、せっかくのASEANが、その他の中の日本ということでワン・オブ・ゼムじゃ、とてもじゃないがたまったものじゃない。今まで何十年間も一生懸命やってきたことはどうなっちゃうんだろうと。虎視たんたんとねらっている周りの国があるということをこの際ぜひ意識していただきたいと思います。
それからもう一つ、民間も物すごい努力している。最近でも、イラク問題でいわば反日分子なんという表現があったけれども、それはレベルの低い話で、さっきの中野議員じゃないですけれども、体を張ってカンボジアのボランティアをやっている、つまり、政府の意図、外務省の意図とは違う形で、その国のためなら命も要らぬ、私は命を捨ててもいいと言う日本人も結構いるんです。それを反日分子なんて言い方はもってのほかであって、やはりよくその中身を我々は知っていなくちゃいかぬ。
そして、そういう人たちの力が国際社会にとってどうしてもいつでも必要だ、特にアジアでは必要だというふうに強く思っていますので、今の副大臣の認識の中で、私が今申し上げましたように、いわば上前をはねる国々がいっぱい出始めているから、これから注意していただきたいと思います。
それで、在外公館についてたびたび私は発言いたしております。やはり在外公館の役割は物すごい大きいんです。特に、ASEAN地区もそうですけれども、いわば、ASEANの大使をやる、そしてそれが二年か三年でかわってしまうということを大変僕は心配しているんですよ。やはり、せっかく実情がわかってきてなれてきて、いろいろ外務省から資料をもらうと、一人の大使が二度同じ国の大使を繰り返したことがないということだけれども、これでは本当のつき合いが私はできないと思うんです。
だからその意味で、むしろ、外交官試験もなくなったんだから、大使の存在について、例えば、私の知る限りの大使の人たちは嘆くんだけれども、もういっぱいやりたいことがある、その国にとって、あれもこれも、あれもこれもという気持ちがあるんだけれども、一々外務省の担当課長にお伺いを立てなければならぬ。大使というと、やはり、課長もやって、部長もやってという人たちだから、その方々が課長の指示で判断せざるを得ないということをすごく嘆いている人が多いんです。それではだめなんです。
やはり、大使が国情の中で、わずかな年数だけれども一番わかっていて、そして職員からもいろいろな情報を得て、その国の事情を全部わかって、その上で進言することは、ストレートにやはり大臣、副大臣、政務官に伝わるようにしないと、課長の判断でとめられてしまったのではという気持ちを結構持っているという人が、たくさん私は聞いているんです。
その意味で、今後の取り組みとしては、大使がその国で、懸案事項について、あるいはこれからのことについて考えて発言したときについては、きちっと対応する。どういう方法でもいいから、どこそこの大使が進言したことについて外務大臣は知っている。だから、そのことについては、外務大臣の耳まで届いたかということを知るような方法をぜひこの際求めたいということと、もう一つは、外交官試験もせっかく超えたわけですから、その意味で、外務官僚だけじゃなくて、大使という存在について、極端なことを言うと、その国に骨も埋めて、そしてその国のためなら自分の人生をかけてもいい、そういう人たちをいろいろな方法で選ぶ。民間からでもいいし、あるいは、各省庁でもいいんです、他の省庁からでもいいし、あるいは国会議員経験者でもいいし、あるいは総理大臣、外務大臣経験者でもいいし。
要するに、日本は在外公館について並々ならぬ意欲がある、つまり、通り一遍で二年、三年で交代してしまうような在外公館なんて日本は考えていないよ、在外公館そのものは日本を代表する施設なんだから、その長たる者は総理大臣だし外務大臣だという意識を持とうとしても持たされないという嘆き節が聞かれますので、これも御意見があったら伺わせていただきたいと思います。
○川口国務大臣 在外にある大使館というのは、その地で日本を代表する非常に重要な組織であると私は考えております。おっしゃられましたように、大使館あるいは大使を初めとする大使館員が、現地の事情は一番よくわかっているということであります。
私は今まで、新しい大使の方をお送りするたびに、それから、大使会議というのも定期的に開いていますけれども、そういった折に、外務省の政策、すなわち日本の外交政策というのは現地でつくられるものであるということを、私は常に申し上げています。それは、現地で、現地を見、そして日本を見、日本にとって何がその国との関係で一番いい外交政策かという発想は、現地から一番最初に出てくるべきであるということを言っているわけです。
担当の課長の決裁というお話ありましたけれども、外務省として、総合性のある形で、そして責任の明確な形でということであることを実施するという段階には、当然に本省で決裁が必要でありますから、そういう意味では、そのときの課長等の意見ということは、そういった立場からもちろん言うということであります。
そのバランスをどこにとるかということですけれども、私は、現地の大使の判断というのは重要だと思っていますし、意見具申が現地から来た場合、これは私はほとんど読んでおります。そういった形で、我が国の大使館あるいは大使の仕事というのは十分に後押しをされなければいけない。外務省はそういうふうに思って仕事をしているということです。
それから、外務省の省員だけではなくて、ほかの人たちを大使にするべきであるというのは、これも全くおっしゃるとおりで、二年前に外務省の改革を私が外務大臣になっていたしましたときに、外からの登用ということを一つの大きな柱にしております。約二割程度と。これは厳密な数値目標ではありませんけれども、適材適所である限り、できるだけふやそうということで考えておりまして、今、一二、三%にたしかなっているかと思いますけれども、相当な数の外部の大使がいます。
一二、三%、ちょっと数字は、もし今の時点で違いがあったら訂正は後でさせていただきますが、それぐらいは十分に出ているということです。
○加藤(尚)委員 時間が来てしまったので、あと二つ三つ、大変、極めて質疑したいという項目を残してしまって、これはまた次でもいいんですけれども、次のためにも一言だけ申し上げておきたいんですけれども、今の大使問題についても、大分努力されているということについて評価いたします。それから、今後も努力してくださいというふうに申し上げさせていただきます。
国連大学のことも、せっかくきょう来ていただいて詳しく聞こうと思ったんですけれども、国連大学というのは、国連において日本が誘致合戦でとった大学である。でも、現実は大学ではない。だから、オランダの学長ほか、どういうスタッフで、どういう運営をして、そしてその大学からどれだけの国連職員とか国際機関の職員を輩出したかについても聞きたいんですけれども、これも宿題に置いておきたいというふうに思います。
さらに、ASEAN問題できょう議論しましたけれども、日本とASEAN、もう緊密で、かつ、そこからアジア全体、国際社会全体が私は展開するというふうに思っています。その意味で、さきの委員会でも、北朝鮮問題も、ASEANが一致して日本に味方してくれれば解決する近道になりますよということも申し上げました。その意味で、そのことも留意していただきたいというふうに思っています。
その中で、国連アジア支部とか、あるいはAAU、つまりオールアジア連合。もうヨーロッパ連合もあるし、アフリカ連合もあるわけだから、AAU連合、これこそ今の政府が、そして今の外務省が、制度化するのにどういう取り組み方をするのか。これは今後の質問の課題にしたいというふうに思います。
ちょっと質問の半ばですけれども、時間ですので終了させていただきます。ありがとうございました。
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