外務委員会


159回 外務委員会 6号 2004/03/12

○米澤委員長 次に、加藤尚彦君。

○加藤(尚)委員 民主党の加藤です。

 冒頭、けさも世界をニュースが駆けめぐりましたマドリードでのテロ事件ですけれども、外国のニュースでは、大統領、首相、そして中には国会も開かれているところでは黙祷をささげておりましたけれども、私も外務委員の一人として心から哀悼の意を表したいし、またこういう外務委員会とか国会の場でもそういうことがあるといいなと希望いたします。

 質問に入るんですけれども、まず川口大臣、就任以来大変な御苦労の中で、次々と国際事件が起きている中で奮闘されているというふうに思います。その中で、私まだお伺いしていませんのであえて聞かせていただきますけれども、外務大臣という職責ですけれども、その心構えというか、やはり各国の首脳、外務大臣も含めて各国の首脳と、たくさんの人たちと会ってきている。それから、世界にはたくさんの大使館がある、そういう大使館の運営の指導者でもあるわけですから、その心構えといいますかスピリットについて、簡潔で結構ですのでお聞かせください。

○川口国務大臣 私は、一言で申し上げれば、これは誠心誠意だというふうに思っております。

 先ほど申しましたように、日本の国益を守るということが我が国の外務省に課せられた使命でありまして、それがどういうふうに評価されるかというと、それは実際にそれができるかどうかということで評価をされるということであるわけです。それをやっていくために、我が国がみずからどう考えるかということももちろん大事ですし、国際社会で協調しながら、日本の言っていることについて理解、支持を求めていくということも大事であります。

 また、それをするために、世界の関心がある課題について、我が国のことだけを考えるのではなくて、世界が関心を持っている課題についてリーダーシップをとって世界の枠組みをつくっていくということもやらなければいけない。ですから、三百六十度、三百六十五日、常にそういうことをやっていかなければいけないということであります。

 やっていかなければいけない、そういうことはそうでありますけれども、私は、やるときの心構えとしては、自分自身に常に思っておりますのは、誠心誠意ということであると思っております。

○加藤(尚)委員 川口大臣の答弁はもちろん理解します。その上で、国家の命運というのは国際社会の中で重大だと思うんです。さきにも申し上げましたけれども、総理とそれから外務大臣、特に外務大臣は、一体感の中で仕事をしなくちゃいけない。しかも、百三十一の全権大使を抱えている。全権大使といえば天皇陛下の認証を得ている人たちですから、まさに全権大使は総理の役割、外務大臣の役割も担わなくてはならないというふうに考えております。

 その最高指揮官ですから、今のお気持ちと加えて、なお一層の使命感、あるいはナショナルインタレストといいますか、国威の高揚、そういったものをきちっと意識した外相としての御活動を今後ともお願い申し上げたいと思います。

 ところで、ちょっと言いづらいんですけれども、ちまた、あるいはここにフォーカスですか、こんなのを見ると、非常に私は怒っているんです。どこの新聞か雑誌かわからないけれども、要するに、「川口順子外務大臣 外務官僚、福田長官の操り人形!」なんて、福田官房長官の操り人形なんて失礼なことが書かれているし、国会の中でもあるいは国民の中でもそういうことを書かれているから、外務委員として不愉快きわまりないんです。あるいは、僕はきっと福田官房長官も迷惑していると思うんですよ。そんなことがあってはいけないんです。

 写真、ごらんになりましたか。奥様稼業の非常に美しい姿もあるんですけれども。ごらんにならない方がいいです。こんなのを見ると腹が立つから見なくていいんだけれども、でもそう言われちゃっているということに対して、感想というよりも、総理と外務大臣とは国益のための表裏一体だというふうに私は理解していますので、その意味で、いろいろな人が何を言おうと、私の信念で、先ほど言った心構えでやるということをもう一回確認させてください。

○川口国務大臣 世の中の方がおっしゃることについては常に謙虚に、これは自分を反省してさらにいい仕事ができるようにという意味で、きちんと受けとめなければいけないというふうに思っておりますけれども、ただ同時に、今先生もおっしゃられましたように、世の中の人全部が自分について支持し、総理だって支持率半分ぐらいのところでいらっしゃるわけですから、世の中の半分ぐらいのところが批判をしている、当たり前だと思うんですね。全く当たり前で、別にそれについてどう思うということは私はございません。

 私は、先ほど申し上げたような、外交としてやるべき、国益をどういうように実現をしていくかということについて、それが自分の仕事であると思っておりますから、官邸と一体になって、総理、官房長官と常にコミュニケーションを図りながらやっていく、私はそういったことについては信念を持っております。

○加藤(尚)委員 支持率五〇%前後ですね、小泉内閣は。それは、閣僚が支えて、与党が支えているんですけれども、支持率五〇%の内閣は、私は認められないと思います。やはり、相当努力をしなくてはいけない。国民総意とは言わないまでも、それは何をやってもこれをやっても反対者がいることはよくわかっているんです。でも、少なくとも、今の国民の評価が厳しいとむしろ思った方が私はいいと思っています。

 質問に、また変えて入るんですけれども、敵国条項ですね、国連における。これは、国民の一人としても我慢ならないことだというふうに思います。そして、このことについては、歴代の内閣が努力されている、あるいは特に大使館の人たちが、言葉を使えば血のにじむような努力をして、何とかこの敵国条項をと。

 国連での拠出金もそうですけれども、ユニセフもそうですけれども、世界に対するODAの拠出金、JICA、国際協力銀行、ありとあらゆる努力をしている国に対して、日本だけじゃありませんけれども、ドイツとかその他の国が数カ国敵国条項にあっているんですけれども、この敵国条項は一九九五年、これは相当大勢の協力を得られたわけです。言えるならば、だれが反対しているんだ。日本の敵国条項、国連憲章における削除についてどの国が反対しているか、もし言えたら言ってください。

○林政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘のとおり、この旧敵国条項につきましては、日本といたしまして、長年にわたりまして削除というものを強く求めてきておるわけでございます。

 その一つの、これは決してゴールではございませんで、一つの一里塚といたしまして、ただいま御指摘ございました九五年でございますけれども、国連の総会決議におきまして、国連憲章五十三条、七十七条、百七条から成ります敵国条項を削除する形での国連憲章の改正を行うために、憲章に規定します改正手続を将来の最も至近の適当な会期において開始する意図を表明するという内容の決議を採択することにこぎつけたわけでございまして、ここでは……

○米澤委員長 ちょっと大きな声で言ってくれませんか。

○林政府参考人 済みません。

 この決議の採択に当たりましては、投票は、賛成が百五十五、反対ゼロ、それから棄権が三でございます。棄権は、北朝鮮、キューバ、リビアの三カ国でございました。

○加藤(尚)委員 反対はゼロ、棄権が数カ国ということなんだけれども、結論的には、敵国条項が外れなかったわけですね。これは敵扱いというふうに、国民はそう思っているんです、敵国条項があるということは。ですから、このことは、日本として、政府としても外務省としても国民としてもほっておけないことなんです。

 今後の方向ですけれども、例えばドイツもあるし、あとそのほか数カ国あるんですけれども、その連携はされているのかどうか。お答えになれる人、どなたでも結構ですけれども。

○林政府参考人 この問題、先ほど申し上げました決議、成功裏に採択いたしました決議の中でも、前文の中で、国連憲章改正の複雑な過程を考慮しなどという言及がございまして、これは憲章の改正ということにつきましては、なかなか簡単にはまいらないところがございます。そういう中で、まさに同様の立場にございます、あるいは考え方を同じくする諸国、まさに旧敵国と考えられておるような諸国との連携といったことが当然必要でございますし、改正を進めるためにも引き続き連携協力をしていかなければならない。

 その際、やはり二つ正面がございまして、一つはやはり国連の話でございまして、国連代表部、ニューヨークの代表部におきますさまざまな連絡調整というものがございます。それから、あとは首都におけます首都ベースでのいろいろな連携、これが両々相まって進めていかなければならない。そのために、したがいまして、それぞれの、例えばドイツならドイツという出先だけではなくて、国連の出先におきましても相当な権限を持っている国も多うございますので、そういうところと緊密に連携をしながらやっていこうということでございます。

○加藤(尚)委員 先ほどのお答えで、百五十五カ国が賛成してくれた、数カ国が棄権ということなんですけれども、国連加盟国からすれば全部じゃないんですよね。あとはどうしちゃったのかということがあるんだけれども、そのことが削除にならない原因の一つだというふうに私は理解しているんです。

 乱暴な言い方をすれば、例えば百五十五カ国も賛成したんですから、もう日本、ドイツを初め今さら敵国ではないだろうということで、日本の役割、ドイツの役割から考えても、むしろ今の国連を一たん解散しちゃって、改組しちゃってやり直すというぐらいのことを言っている人もいるんだけれども、私もそう言っているんですけれども、まあ、そこまでは発言が進まないまでも、今後ともども、この敵国条項については、強い意識が政府にも外務省にもそして国民にも強くあるわけですから、今後の努力を期待したいというふうに思います。

 続けて、北朝鮮問題についてやはりちょっと触れておきたいというふうに思います。

 さきに予算分科会で川口大臣と少しだけ議論させてもらいましたけれども、さっきの質問者の中にもありましたけれども、対話と圧力論、これについていま少し議論したいというふうに思います。

 日本は、国会では、改正外為法、それから引き続き、恐らく今国会中にと期待しているんですけれども、特定船舶入港禁止法、さらに国会では、いわゆる外務委員会の小委員会ではなくて、特別委員会に格上げという言葉が当てはまるかどうかは別として、これはさきに小委員会で、横田御夫妻あるいは蓮池さんのお兄さんをお招きして、三人三様に、特別委員会にしてくださいよ、皆さんの努力をということで相当必死な叫びがあった。

 これは国会の問題ですからいいんですけれども、次々と、我が党の北朝鮮問題の本部長の鳩山由紀夫議員もそうですけれども、民主党の全員が特別委員会への格上げを期待しているし、もちろん与党の中にもたくさんの人たちがいるというふうに思います。そういうふうに伺っております。その意味で、そのことは今後の課題としながら、私は、対話と圧力、分科会でもそう言いましたけれども、いわば平和的に話し合おうという一方で、悪い言葉ですけれどもドスを懐に入れて話そうと言ったってこれは無理だ、難しいというふうに思っているんです。

 しかも、ここで質問したいんですけれども、北朝鮮が友好国として、あるいは北朝鮮が在外公館を持っている国数ですね、あるいは北朝鮮内に公館を持っている国、数だけで結構ですから教えてください。

○薮中政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、北朝鮮と外交のある国は百五十三カ国、北朝鮮が在外公館を設置している国が四十二カ国、そして、平壌に在外公館を有する国は二十三カ国と承知しております。

○加藤(尚)委員 今北朝鮮の国交がある国が百五十三で、在外公館を持っている国が四十を超えている、あるいは北朝鮮内に公館を持っている国が二十三カ国ということですね。だから、北朝鮮は活発に外交活動をしているということなんです。

 今、薮中局長の御説明の中で、いろいろ調べてみると、日本との友好関係あるいは日本との深いつながり、友情、ほとんどだと思います。特に、北朝鮮内における在外公館を持っている国の二十三カ国のうち、ドイツ、イギリスも入っているということでもありますし、その他については、ASEANの国々を中心に、アジア、アフリカの国々が入っているというふうに伺っているんですけれども、こういう国々に対して、恐らく、もちろん政府、外務省も、外務大臣もそうですけれども、あるいは在外の日本の大使及び大使館も全力を挙げていると思うんですけれども、もうちょっと国民にわかるように説明していただきたいと思います。

○川口国務大臣 私自身のことで申し上げれば、会談をしている相手、これは相当に数多くの方々と私はお会いを今までしていますけれども、まず、ほとんどと言っていいと思いますが、北朝鮮のことを取り上げ、拉致のことについてお話をし、理解を求め、支持を求めているということをやっております。それから、在外公館においても、それからもちろん逢沢副大臣も阿部副大臣も、皆さん省を挙げてこれに対して取り組んでいます。それで、その結果として、かなり多くの国が北朝鮮との間で拉致の問題を取り上げているということでございます。

 一例を挙げれば、この前モンゴルの首相がお見えになりましたけれども、そういった方も積極的に動いてくださっていますし、アジアの幾つかの国、例えばベトナムですとかカンボジアですとか、そういうところも北朝鮮とこの問題の話をしている、数多くの国がそういうことをやっている、インドネシアもそうだと思います。

○加藤(尚)委員 それらの努力は多とするんですけれども、要は結果だと思うんですね。六カ国協議でもそうだったんですけれども、アメリカは相当強く支持してくれた。でも、外相の説明では、あるいは薮中局長の説明では、中国もロシアもあるいは韓国も支持してくれたし、理解してくれた、そういう説明、報告はあるんですけれども、そして今の外相の御答弁でもモンゴルを初めとしてということがあるんですけれども。

 私は、一つ例を出すと、かつてレバノン国民が数名拉致された、北朝鮮に。そして、自力で二人は脱出した、そのほかは拉致されてしまった。それに対してレバノン政府は執拗に北朝鮮に働きかけをしたという事実があるんですけれども、結果的に、レバノン政府がどういう形で北朝鮮と交渉して、そして自国の国民を戻したかということについては、やはり一番大きな強い姿勢は、北朝鮮、金日成さんよ、言ってみればレバノンを中心として、アラブを全部敵にして、この私たちの国民を帰せないのか、こういう発言が歴史的に残っているんですけれども、この強い意識なんですね。この拉致問題もそうだけれども、核問題もそうだけれども、領土問題もそうですけれども、命がけの姿勢なんです。

 つまり、恐らく、総理も外相も、そして薮中さんも、ほか外務省の方々も、あるいは大使の皆さんも、協力と理解を求めたと思うんです。支持も得ていると思うんです。日本との間でどう理解されて、どう支持されるでは意味がないんです。問題は、それらの力が、レバノンの国が国民を帰させたように、全アラブを敵にするか、こういうやはり国際世論というものが最も重要だと考えているんですけれども、理解と支持では一歩も進まないと私は思っています。

 六カ国協議の先の日程も決まらないし、それを逆に北朝鮮が切り札にしようとしているし、同時に北朝鮮は百五十二カ国と、しかも四十二の外国に公館を持っている、しかも自国に二十三国も在外公館を持っている国がある。これらが一斉にもう北朝鮮から公館を引き払う、二十三国が、もう大変なことなんです、これは。

 だから、日本の政府も外務省も、我々もそうですけれども、核とか拉致の問題について、領土の問題について、命がけの姿勢が必要だと私は思うんです。だから、理解と支持を得られているという言葉の説得力は、余り僕は、頑張っているなという評価はしますけれども、これは結論の出ない評価しかせざるを得ないと思いますけれども、このことについてお聞かせください。

○川口国務大臣 北朝鮮に対して、どのような手法あるいは方法をどのような局面においてとっていくかということは、常に、外交当局にとっても、あるいはそれを見ていらっしゃる国民の皆さんにとっても、大きないろいろな意見が出るところであるというふうに思います。

 理解と支持を得るだけでは北朝鮮に対しての力にならないという御指摘は、そういった部分も確かにあると思います。ですが、その理解と支持をベースに、先ほど、具体的な例をもう少し必要ならば挙げますけれども、幾つもの国が働きかけてきているということであり、先生は一例として公館を引き揚げというふうにおっしゃっただけであって、それをやるべしとおっしゃっていらっしゃるんではないと思いますが、北朝鮮が国際社会に触れているということは実は何よりも重要なことであって、北朝鮮をアイソレートしてしまうということからは前向きの動きは出てこないというふうに私は思っております。ということは、詰めて言えば、対話と圧力ということをどういう状況でどのように使っていくかということの問題であるというふうに思います。

 我が国としては、今北京でも対話の場が動いているわけですし、平壌でも日朝の二国間の協議があるということでございますから、これをきちんと実行していく、そして北朝鮮に責任のある態度をとらせるということが重要だというふうに考えていまして、今すぐによその国に対して大使館を全部閉鎖しろと言うつもりはありませんけれども、先生もそうおありにならないわけですが、引き続き、国連の人権委員会とか、そういった国際社会の物を言える場において、北朝鮮に対してそれぞれの国が行動をもって示すようにということも働きかけております。そういった努力を引き続き続けていきたいと思っています。

○加藤(尚)委員 いわゆる対話と圧力の圧力部分で、我が国は改正外為法とか、あるいはこれから一つ、二つと次々と切り札として国会では続けていくんですけれども、やはり政府、外務省が使う北朝鮮向けの対話と圧力というその圧力部分をもし認めるとしても、これは国際世論を高めるためのものにぜひしなくちゃいけないというふうに思います。その上で、日本は世界でも有数の、国連に対してもそうですけれども、ユニセフに対してもそうですけれども、ODAも、JICAにしたって国際協力銀行にしたって、世界第一級の国際貢献国ですから、それが武器にならないのが私は非常にもどかしいという思いを強く感じるんですけれども。

 この先さらに一層の、いわば拉致問題の解決も核問題の解決についても一歩も引かないという姿勢が、対北朝鮮だけじゃなくて、対六カ国協議だけじゃなくて、むしろ国連の場もそうですけれども、日本との友好国もそうですけれども、挙げて、そしてそれは例えば国内的には蓮池さんとか横田御夫妻さんとか、あるいは地村さんのお父さんなんというのは福井県で二軒に一軒歩いたというぐらい署名活動をして世論を高めた、それが日本の政府も動かしたというふうに私は理解している一人ですけれども、さらに国内世論をどうしたら高められるのか。

 もっともっと、とまらない、日本の世論はもう全然とまらないという勢いをつけなくちゃいかぬし、これは政府の仕事でもあるし、国会議員の仕事でもあるし、同時にメディアの仕事でもあるし、国民そのものの仕事だというふうに私は思っています。今後、その世論づくりについて、国内、国際的にも世論づくりについて、もうやっていらっしゃることはわかっていますけれども、具体的に結果が出るようにさらなる努力を求めさせていただきます。

 それから次に、ASEANのことについて触れたいんですけれども、もちろん国際世論を高めるための一つの意味としても申し上げますけれども、日本とASEAN関係について、例えば、きょう資料を勝手にお配り申し上げました。

 この一ページ目でありますけれども、これは自他ともにアジア通ナンバーワンと御本人が言っていらっしゃるんですから、金子量重先生がアジアに戦後四百回以上訪問して、この方はそれぞれのアジアの首都を歩くのではなくて、いわゆる田舎を歩いてきたというので貴重な方なんです。そして、アジアというものを考えたらこういう四つの色分けがいいんじゃないかということを盛んにもう十数年来主張いたしております。私は、個人的には全く同感であります。そして、この色分けについては、ミャンマー政府もこれを使い始めているんです、ミャンマー政府も。

 今度の外務省の予算を見ると、例えばアラブ諸国を、中近東という表現が出ていましたけれども、中近東という考え方は、かつての大英帝国、イギリスから見た中近東なんです。アジアにとって迷惑なんです、もう今や。だから、アジアの中での色分けをすると、例えば外務省のいわば組織図の中でも、私まだ理解していないんですが、余り理解している一人じゃないんですけれども、この色分け論について、ぜひ御研究、御検討してもらいたいんですけれども。

 まあ急に見せられて何か言えと言われても困るかもしれませんけれども、外務省では、例えばこういう図面が、こういう絵が、四つに分かれた、四つの分け方について、もし、感想でもいいんですけれども、見方があったら教えてください。

○薮中政府参考人 まさに東アジア、その中で東北アジア、東南アジアというのが一つここにございます。我々、今委員御指摘のとおり、ASEANのこともございました。ASEANはまさにこの東南アジアに入っているわけでございますけれども、日本は、色分けはございますけれども、この東アジア、東北アジアそして東南アジアとの関係は非常に緊密なものがあるということで、こういうくくりが一つあろうと思います。

 そしてまた、南アジア、私ども外務省の中では、アジア大洋州局というのはパキスタンまでをまさに担当してございますけれども、これは南アジアということでくくる一つの地域であろうというふうに思います。

 西アジアにつきましても、まさにこういう識者の御指摘ということで、従来の中央アジア、そしてまた中東という地域を別の視点から見るという、これはそういう学問的な指摘であろうというふうに考えます。

○加藤(尚)委員 これは単なる金子先生個人の分け方というよりも、やはりアジア全部、つまり、総理の所信表明もそうだけれども、我が党の菅代表もアジア重視ということを強く発言していましたけれども、いずれにしても、アジアということを考えるならば、宇宙から見てアジアが見えると。それで、そのアジアをどう、例えば一遍に考えると大変だから、どういう分け方をするかということについてはやはり傾聴に値するというふうに思いますけれども、今後の課題にしていただきたいと思います。

 引き続き質問ですけれども、ASEANの首脳会議が昨年の十二月に日本で行われた。ASEANプラス日本ということでありますけれども、これはASEANというのは大変な歴史があって、しかも順調にそのエリアをまとめていると思います。そして、その中身についても、この外交フォーラム、これは外務省から出しているのかな、外交フォーラムを見ても非常にASEAN評価があります。

 そして、ASEANという一つの地域とそしてプラス日本、あるいは場合によってASEANプラス3という考え方もあるんですけれども、少なくとも、域外で第一回が日本で行われたということは物すごい評価なんです。まあ、北朝鮮問題、イラク問題といろいろ物すごいときに行われたということから、新聞のスペースも余り多くなかったんです。残念だなと思うんです。歴史的な大きな、やはり外務省の、あるいは外務大臣のお力だし、御努力だというふうに思っています。

 そんなに長くなくていいんです、短い時間で、ASEANプラス日本、十二月、そして二月には次官級会議がクアラルンプール・マレーシアであったんですけれども、その総括をぜひしてください。

○川口国務大臣 ASEAN首脳会議、これは、おっしゃられたように、まさに初めての域外での首脳会談であったわけです。ここで日本は、過去三十年間のASEANとの歴史、これについてきちんとそのレビューを一緒にし、それから今後に向けて一緒にどのようなことをやっていくかということを東京宣言そして行動計画という形で確認したということです。未来志向型の日本とASEANの関係を正しい鳥瞰図の上にのっけて、理解を相互にし合ったということの意味が非常に大きいというふうに思います。大事なことは、今後それについてやっていくということであると思います。

 それから、より大きな外側のアジアをめぐる流れとしまして、総理がシンガポールで東アジア・コミュニティーということをおっしゃられた。この東アジア・コミュニティーづくりの大きな柱といいますか、それに向けての実行を行ったというのが今度の首脳会談でもあるというふうに思っています。今後、FTAとEPA等をやりながら、総理の言葉によれば、東アジア・コミュニティーというのはオーケストラと同じで、それぞれが楽器、それぞれがきちんと自分のパートをやりながら全体として非常にきれいなハーモニーになっているという東アジア・コミュニティー、それに向けて動いていく、その一つの大きなメルクマールであったというふうに私は思っています。

○加藤(尚)委員 十二月の日本ASEAN行動計画について、これはもう百数十項目というか、膨大なことを議論されました。それぞれ非常にまとまりがいいことだし、一つ一つ見ると、いかにASEAN諸国の重要課題であるということと同時に、日本に対して非常に期待があるなと。私は個人的にアジアに行くことが多いんですけれども、日本を信じたい、信頼して、そしてもっともっと近くなりたいということなんだけれども、余りにもアメリカ一辺倒だというふうに思えてならないということはだれもがそう言うんですよ。だれもがとは言わないけれども、大勢の人がそう言うんです。ですから、残念なことなんです。

 でも、日本はこのアジアの一国として、そしてこのASEANに対する協力度について、ASEAN諸国が願っているわけです。ところが、この行動計画を見ても、一つ一つこれはどういうスピードでやるか、単年度でやらなくちゃいけない仕事ばかりだと思いますけれども、これは日本が本気で約束したことですから、これを忠実に実行していく、そして私も今後の課題としてこれを一つ一つ検証していきたい、そう思っております。

 なお、私は初めて当選させてもらいましたけれども、三回も落選しちゃったんです、三回も。だけれども、その間に常に言い続けてきたことは、やはり二十一世紀はアジアの時代なんだ、むしろ日本はアジアに活路を求めるべきだという持論を選挙期間中もたびたび発言をして、むしろ私の選挙の中心課題にしたんです。国際政治を中心課題にすると選挙に落ちるからやめろと言われたときもあったけれども、私は信念を曲げないで強く主張をしてきたわけです。その意味で、マハティールさんが総理をやめて、最近の近著を見ると、やはり隗より始めろで、やはり大アジアを一遍に何でもくくろうといったって無理だから、身近なところから、特にそれを日本に期待するということを表現されております。

 とはいえ、例えば中国も、ちょっと地図を見てもらいたいんです、さっきお見せした地図でもいいんですけれども。この機会ですから聞いておきたいんですけれども、ASEANの中の中心五カ国、この五カ国の地域について、かつてはインドシナ半島と言われたんです、この国では言っていたんです。中国では中南半島と言っているんですよ。中南半島と言っているんです、本当に中国では。日本では今後どう呼ぶんですか。そういう検討をしたことがあったら教えてください。

○薮中政府参考人 まさにASEANの中で一つの大陸部の方でございますけれども、タイを中心に、そしてまた新しくASEANに加入したベトナム、ラオス、カンボジアそしてミャンマー、従来この幾つかの地域というのはインドシナというふうな表現をしていた、これは日本側でそういう表現を使っていたことはございますけれども、今は、もう全体としてASEANということで我々としては非常に強く意識しております。

○加藤(尚)委員 この地域の人たちが、タイ国中心ですけれども、グレート・メコン・エリアという表現を使っていらっしゃるし、私は個人的に、今局長がおっしゃったように、ASEAN半島と言っているんですよ。

 このことは、タイ国もベトナムもカンボジアもそうですけれども、個々の私の折衝の範囲内では、みんな、インドシナ半島とは二度と言ってほしくない、こういう強い意思があります。そのことに留意しながら、やはりこの国の地図でも、この表現、今おっしゃられたように東南アジア半島でもいいし、東南アジアエリアということよりも、半島みたいになっているから、何とかそれぞれのASEANの国々が理解できる表現をぜひ御研究、御検討をこれからしていただきたいと思います。

 加えて、質問に入らせてもらいますけれども、このアジアということについて、私は、選挙戦でも、AAUあるいはAAPU、あるいは国連アジア支部の創設ということを前面に打ち出しています。もう十年来、さかのぼれば二十年来主張いたしております。アジアの時代がきっと来るし、アジアの時代でなくちゃいけない、国際平和というものを、国際的な繁栄を考えたならという持論があります。

 特にAAU、AUというとアフリカ連合と間違えられちゃうから、アジアはもっと大きいから、オール・アジア・ユニオンというとらえ方をしているんですけれども、AAUについて、マハティールさんじゃないけれども、小さいところから始めよう、ASEANから始めよう、そして全アジアに呼びかけていこう、こういう考え方なんです。代表質問でも、アジア重視、与野党ともそういう発言をしているし、そういう中で、外務大臣として、このAAUつまりアジア連合について御意見を聞かせてください。

○川口国務大臣 私は、アジアというのは、今世界で最もダイナミックに発展をしている地域であると思っております。それから、そういった発展を続ける力を持っている地域であるというふうに思っております。

 それで、アジアの要素として、東南アジア、ASEAN等とそれから北東アジアというのが大きく二つに分けられると思いますけれども、アジアの中で今かなり格差があるという状況にあるわけでして、まずアジアの中の格差をなくしていくための努力というのが我が国がやるべきこととして重要であると思います。これはASEANの中でもそうですし、インドの中でもそうですし、中国の中でもそうですし、あるいは国と国との関係でもそうですし、ということであると思います。

 そういうことをなくした、それが縮小していくという過程で、総理が二年前におっしゃられた東アジア・コミュニティー、これは東アジアということですけれども、それが大変に重要な意味を持っていく。アジアは、同時に大変に多様性がある国であるわけですから、EUのようにより均質的でまとまっていくというところでは直ちにはないと思います。

 ただ、連携をし、その関係を強化することによって東アジア・コミュニティー全体として発展をしていくということが大事で、EPAというのは日本もアジアの国々とやろうとしていますし、中国もやろうとしていますし、お互いの間でもあるわけですけれども、そういう動きをやりながら、全体として制度なり考え方が一つ、より均質になっていくという過程を今後経ていくということがよりアジアの力を増すということにつながっていくというふうに私は思っております。

 日本のそばの地域でありますし、日本としてそういったことに対してのできるだけの支援をしていくことが大事だと考えております。

○加藤(尚)委員 かつてEUがドイツとフランスでスタートしたわけですけれども、五十年の歴史を持つわけですけれども、ドイツとフランスというと、戦争の歴史ですよね。もういいかげんにしようということで、テーマを石炭と鉄に絞ったわけですね、御案内のとおり。

 このアジアなんですけれども、今外相の答弁のとおりだと思います、複雑です。宗教もそうですし、民族もそうだし、極めて複雑。ミャンマーだけだって百三十を超える民族がいるとか、タイ国だって五十六の民族がいるとか、もう大変、日本とは比較にならないいろいろな多様な問題がある。その中で共通項を見つけていく。

 この行動計画の中にも例えば教育とかあるいは文化の面を強調していますけれども、私はそれは正しい方向だと思うんです。もうやれるところからやっていく。その意味で、きょうは文科省の方から来ていただいたと思うんですけれども、ちょっとお聞きしたいんです。

 このASEANの行動計画の中で、恐らく外務省を中心に全省庁の協力を得ながらまとめたものだと思います。その中で、今私が発言したように、教育と文化というわかりやすいテーマ、これはひとつ表に出していこう、出したらいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、これを文科省としては、今までどういう協力をしてきたか、これからどういう協力をするか、ちょっとお答えをお願いします。

○永野政府参考人 お答え申し上げます。

 日本と東南アジア各国とは長年にわたりまして緊密な協力関係を持っておりますので、教育、科学、文化の分野でもいろいろな事業を実施しております。したがいまして、この十二月の行動計画の作成に当たりましては、当然のことながら外務省と緊密な連携をしまして、文部科学省からも留学生交流、科学技術・学術交流などについて具体的な提案を行ったところでございまして、策定されたこの行動計画ではこれらの提案が十分に取り入れられたものと考えております。

 具体的に幾つか御紹介させていただきたいと思うんですけれども、一つは、ユネスコのバンコク事務所を通じて識字教育などの基礎教育普及事業をさらに推進しようということ。二番目として、海外における留学情報の提供、それから日本に留学をしたいという方の負担を軽減したいという観点から、日本に来る前の入学許可を可能とするような日本留学試験の実施を通じて、質の高い留学生を受け入れたいということ。三点目として、文化財の保存に関しまして、ベトナムにおける集落保存についての協力とか、インドネシアにおける候補案件についての現地調査をしよう。それから四番目は、日本学術振興会を通じて若手研究者、学者の交流をしよう。

 今後とも、外務省と密接に連携をとりまして推進したいと思います。ありがとうございます。

○加藤(尚)委員 わざわざ来ていただいてありがとうございました。今後とも、教育の分野で外務省と連携をとって、ASEANのこの行動計画が具体的に進むように御努力をお願い申し上げたいと思います。

 その中で一つだけ、外務省の受け入れはいいんです。私の持論ですけれども、日本の青年が国費でアジアにどんどん行く。留学生受け入れ計画十万人を達成したという評価がありますけれども、一方で、もう七万人も八万人も留学しているけれども、ほとんど私費でやっている。国費留学ということがこれから必要なんだ、特にASEANには国費留学で日本の青年が留学する、アジアの大学に。アジアの大学も大変いい大学がたくさんありますから、そういう意味で今後の課題にしていただきたいと思います。

 時間が相当差し迫ってきましたので、アジアというとらえ方については今後の課題に残しますけれども、最後に一つだけ、質問通告してありますので、ロシアとの平和条約でございます。

 これは、資料もたくさんもらっているし、私も個人的に、横浜市会議員に昭和五十年になったときに一番先に取り上げたのは、北方領土返還市会決議というのをやって、呼びかけて、そして根室の市長に来てもらって相当やった。それが全国に広がった。だけれども、それはそれとしながら、ロシアとの平和条約をどう優先させるか。

 私は個人的には、沖縄方式と言っているんです。これは議論しません、きょうは時間がないから。沖縄方式なんだと。アメリカが沖縄を返還した、それは日本の未来をちゃんと見据えて、日本が永久にアメリカに害をなさない、これは沖縄を返すことによって日本との国家同士、国民同士の関係がよくなる、そういう判断をしたと思うんです。だから、ロシアとの平和条約も沖縄方式だということを、突然な言い方で恐縮ですけれども、私はそう思っているんです。

 ですから、もちろん固有の領土ですよ、北方四島は。それはもうどう見ても、どう考えても、どう議論しても固有の領土であることははっきりしている。だけれども、それありきじゃなくて、もっと大きくロシアとの平和条約についてきちっとした方向を持って、つまり、北朝鮮の拉致問題もそうだけれども、どうこの地図を見たって日本の地図の上に覆いかぶさっているわけですから、どおんと。この国と敵対関係ではいけないですよ。

 だから、日米の関係はもちろん大事だ、これからも大事だ、日米安保も大事だ。一方で、ロシア、この日ロの関係がきちっと平和的に解決する、それは平和条約なんですけれども。そういったことを歴代の総理がその都度努力しているんです。歴代の外務大臣も努力している、外務省も挙げて努力している、いろんな人が努力している。でも、結局は、今日まで結果が出ていない。

 だから、これはもう差し迫っているんです。アジアのことを考えるならば、ロシアとの平和条約というのを相当やはり、北朝鮮拉致家族とか北朝鮮の核問題とか、そういうことも含めて、それ以上の意味もあるかもしれない。ロシアとの平和条約に対する決意を聞いて、私の質問を終えたいと思います。

○川口国務大臣 この北方四島の問題は、委員もおっしゃられましたように、これは我が国の固有の領土であります。四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するということをずっと言い続けて、かつ交渉をしてきているわけでございます。今、具体的なやり方として考えていますのは、先般、総理の昨年の訪ロの折に日ロ行動計画というものをプーチン大統領との間で署名をなさったわけです。

 それで、六つの柱がありますけれども、平和条約というのはその一つの大きな柱であります。そのほかに、国際舞台における協力ですとか文化交流ですとか防衛協力ですとか経済面の協力ですとか、いろいろなことが書いてありますけれども、日本とロシアの関係というのは、例えば日中関係、日米関係と比較をしますと、まだまだ十分に強いものになっていない。日ロ行動計画、それを実際に実行しながら、日ロの関係をより肯定的でより強いもの、より幅広いもの、より深いものにしながら、そういった肯定的な雰囲気の中でそれが領土問題と相互にいい方向で影響し合うような、そういう関係をつくっていき、交渉をしていくということでございまして、今年の前半にも私はロシアに行きたいというふうに考えております。きちっとしっかりやってまいります。

○加藤(尚)委員 どうもありがとうございました。

 今後の御努力を期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 

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第159回通常国会
会期(2004.1.19〜2004.6.16)
外務委員会発言INDEX

■外務委員会 6号 2004/03/12

敵国条項について、北朝鮮問題について、ASEANについて 

■外務委員会 10号 2004/03/31

児童権利条約について、世界保健機関枠組条約について、無形文化財について 

■外務委員会 15号 2004/04/28

日本とASEANについて 

■外務委員会 20号 2004/06/02

日本政府が結んだ協定について、在外選挙人の投票について、国連大学高等研究所について、国立国際会議場について、 日露平和条約について