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| コンティンジェンシーレポート > 目次 > Chapter16 |
私の外交戦略:戦略としての東アジア共同体構想■マザーズ・マインド・スピリット アジアに恩返しをする外交政治とはつまるところ内政と外交であり、外交は日本が国際社会で生きていくための手段です。今後『国際社会』なるものが私たちの生活により大きく影響を与え『国際化を実感する』世の中となるのは間違いありません。私は横浜市会議員当時から外交を論じ、アジア重視を主張してきました。ここでは何故『東アジア共同体構想』なのかを述べたいとおもいます。 そもそも東アジア共同体とは何でしょうか。 2004年9月21日小泉総理による国連での演説によると「東アジアにおいては、目を見張る経済発展が進んでいます。我が国は、地域の諸国と共に、経済開発に向けた彼ら自身の取組の基盤作りのために取り組んでいます。この地域においては、共同体作りを促進する積極的取組が行われています。ASEAN+3の基礎の上に立って、私は『東アジア共同体』構想を提唱しています」とあります。 ただ、東アジア共同体とは「東アジア共通の経済圏さらに、統一通貨の導入を目指す構想のこと。さらに議会制民主主義・市場経済・漢字文化を共通の価値観とし、統合通貨『アセアナ』の導入を主張している人もいる。通貨だけに限って言えばアジア共通通貨の導入で、為替相場の影響を抑えることができ東アジア経済の長期的安定をもたらすと考えられている。また世界でもドルとユーロと並ぶ存在になるとされる。しかしアメリカなどはアジアだけの連合は自国の経済的に不利益であるとしている。また、東アジアはこの構想に関係なく中国の経済圏に飲み込まれると予想する人達も多い」とするむきもあります(出典:フリー百科事典ウィキペディア)。どうも小泉総理がいうように我が国主導で提唱している訳でもなさそうですし、我が国でEUのように通貨統合の動きがあるともおもえません。 また我が国のある財界人は「東アジア共同体構想が中国主導でなし崩し的に進められようとしている。2004年11月末の『アセアン+3』首脳会議で提起された『東アジア・サミット』は、中国進出日本企業や財界一部の思惑を映してか、表立っては議論がなされないまま今年の暮れには第1回の会議が開催される運びという。国の運命を左右する国策が国民的な議論を経ることなく形作られ、しかも同盟国であるアメリカの強い懸念を無視して、いつの間にか既成事実化されようとしている現状を60年前の過ちと重ねるとき、不吉な予感を禁じ得ない。」と強い言葉で東アジア協同体構想に反対しています。 衆議院議員加藤尚彦は『東アジア協同体構想』に賛成です。そして『東アジア協同体構想』を進めることで、アジアに恩返しをする外交ができると確信します。 ■アジアの時代について 冷戦が終結して、アメリカの軍事力だけが突出することになった事実は誰も否定することができません。しかし軍事的にみればアメリカ一極集中ともいえるのですが、経済的にみれば「アメリカひとり勝ち」が言われた90年代に変わって、21世紀は「アジアの時代」ともいわれています。ただアメリカやヨーロッパが「アジアの時代」をだまって指をくわえてみているはずがありません。であればこそ積極的に「アジアの時代」に参画、さらには「アジアの時代の演出」までしてくるのがアメリカでありヨーロッパでではないでしょうか。かつてはヨーロッパの植民地政策とロシアの南下政策、彼等の植民地としての「(主導権なき)アジアの時代」がありました。21世紀の「アジアの時代」は、EUを東方に拡大してきた欧州、大ロシア主義への回帰がみられるロシア、ここまではかつてと同じですが、今後GDP総計が世界の5割を占め、貿易経常収支の黒字をほとんど独占するアジアが主人公となるという「アジアの時代」ではないでしょうか。 アジアが主人公であることを具体的にいうと1. アジアの消費者が欧米企業の顧客になる。2. アジアの企業が欧米の顧客に売る。3.(1と2差し引きで、黒字となって)アジアが欧米の通貨(富)を蓄積する。という意味ではないでしょうか。アジアが植民地として富を搾取されるという以前の姿とは180度異なります。このような「アジアの時代」に日本は位置します。 ■日米関係と「アジアの時代」
このような「アジアの時代」の延長に「東アジア共同体構想」はあります。東アジアの国でないアメリカはもちろん「東アジア共同体構想」にはいっていません。世界最強の軍事力を誇る国アメリカ抜きの共同体でよいのか。そもそも我が国の安全保障の根幹をなすアメリカとの関係はどうするのか。本当にヨーロッパ協同体(EU)を理想とするのか。であれば本当に通貨統合まで考えるのか。税体系はどうするのか。国境はどうするのか。東アジア共同体が一丸となってアメリカと対峙する場合、日本はどうするのか、どのように考えるのか。おそらく、そのプロセスでの議論そのものが大事なポイントとなるのではないでしょうか。日本は何をどのように考えているのか。他の東アジア諸国もみていますし、EU諸国もみています。もちろんアメリカもみています。※日英同盟・日米安保条約 「1902年(明治35年)日英同盟協約に調印し1921年(大正10年)破棄するまでの間、日本が政治的に安定し経済的に成長できた時代であって、1960年日米安保保障条約締結によって政治的安定が保障され、高度経済成長も可能であった。イギリス、アメリカというアングロサクソン超大国と同盟関係を結び続ける限り日本は安定する。明治新政府の外交戦略の最大の成果は日英同盟の締結であり、戦後最大の外交戦略の基軸は日米安保である。日本は外交ゲーム・パワーゲームに参加すべきでなく『日米安保』は絶対に堅持するべきである」 これは外務省の精神的支柱と言われる岡崎久彦さんなどが主張する考え方です。この考えを一言でいうと「外交では主導権を取らない」ということです。今後ともアメリカが重要な国であることは間違いありません。であればこそ日米安保を越える日米関係を模索する必要があるのではないでしょうか。冷戦時代、日本とも対峙する東側への解決策は全面的にアメリカに委ねてきました。そもそも日米安保は対ソ対共産圏への防波堤としてデザインされた訳ですが、その前提が崩れた場合、グランドデザインも考えなおして当然ではないでしょうか。ものごとを合理的に考えるのがアメリカであれば、日米安保の前提であるソ連が崩れた時点でアメリカは新しいデザインを考えはじめていると推測してこそ合理的ではないでしょうか。 ソ連崩壊・冷戦終結後において、アメリカの仮想敵は中国であるという説もあります。果たして事はそんなに単純でしょうか。例えばアメリカの知識人の中国に対する尊敬・畏敬の念は日本人が考える以上に深いものがあるのではないでしょうか。また資本主義のうま味を知っている中国にしてもアメリカの仮想敵に甘んじるような国でしょうか。 日中どちらが外交戦略外交能力に長けているかという問題はともかく、少なくとも私たち日本人は、日本とアメリカと中国を考えるとき、日米対中国という単純な図式はありえないと考えたほうがよさそうです。また超大国アメリカにとってアジアの国との関係のひとつとして米日、米中があるという認識でいた方がよいのではないでしょうか。 ■対中国戦略としてのロシア:日露平和条約早期締結 私は日露平和条約の早期締結を、横浜市会議員当時から主張してきました。 私も日本と中国は対峙することは避けられないと考えます。また日本と中国の対峙はおそらく当事者二国では解決できません。中国にとってロシアはもっとも扱いづらい国のひとつです。だからこそロシアはすでに中国の友好国となっています。ファーザーズ・マインド的にいえば「敵の敵は味方」という表現になるのかもしれませんが、マザーズ・マインドでは「友達の友達は友達」という話しで対峙をやわらげるということになります。対峙せざるをえない中国との友好関係を築くためにも、であればこその日露平和条約です。ロシアとうまく友好条約を結び北方領土問題を解決した外交手腕を持つ日本となれば、中国も日本との話し方、接し方も変えてくるのではないでしょうか。 |
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