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| コンティンジェンシーレポート > 目次 > Chapter12 |
加藤尚彦・外交のCSR:国のコンプライアンス・条約遵守■企業のコンプライアンスについて企業や銀行、保険会社といった法人に不祥事や事故が発生すると、そのつどコンプライアンスという言葉が新聞を賑わせています。「企業の社会的責任としてのコンプライアンス」といった使い方もされる言葉、そもそもコンプライアンスとは何でしょうか。「法令遵守」と訳されることが多いですが、これは本当でしょうか。コンプライアンスComplianceを辞書で引いてみると確かに“何かを遵守すること”という意味はありますが、どこにも“法令”という意味はありませんが、コンプライアンスには“遵守する”“従う”という意味に加えて“調和する”“同意する“という意味が含まれているようです。 ■マザーズ・マインド・スピリットとコンプライアンス 不祥事・事故が発生した後、コンプライアンス=法令遵守という発想は、ますます日本の企業・法人(経営者・働く人々双方)を萎縮させるだけではないでしょうか。緊張はもちろん必要ですが緊張には緩和が伴わないと継続できるものではありません。企業の本分は継続(ゴーイング・コンサーン)です。加藤尚彦マザーズ・マインド・スピリットに則るとコンプライアンスを単に“何かを遵守すること”に考えるのではなく“何かと調和すること”“何かに同意すること”を包括すべきとも考えます。 ■国のコンプライアンスについて 企業の社会的責任として「法令のコンプライアンス(遵守)」を求めるのであれば、国が遵守すべきは何か。国際化の時代、それは条約ではないでしょうか。ではわが国においてもっともコンプライアンス意識が高い条約は何でしょうか。それは間違いなく日米安全保障条約ではないでしょうか。その他の条約はどうでしょうか。残念ながら必ずしも遵守する意識・調和する意識が高いとはいえません。例えば人権に関する条約、動物保護に関する条約などにも我が国は批准していますが条約に則した具体的な措置はほとんどとられていないとの内外からの批判は後を断ちません。 ※ワシントン条約 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」に批准しています。欧米ではペットショップの営業は許可制で、条約に違反すれば免許剥奪、営業ができなくなります。日本では営業停止などを命じる規定がないので、絶滅危惧種のオラウータン販売の摘発を受けた後も営業を続ける例も後を絶たちません。 ※国際人権諸条約 国連で採択された国際人権諸条約は、具体的な実体規定を有しているばかりではなく、締約国が実際に条約を遵守しているか否かを国際的に監視する制度を設けています。個人資格の専門家によって構成される委員会が監視機関となっています。(各国政府が提出する報告書を委員会が評価するという制度です) 国連委員会のわが国に対する「子どもの権利条約・総括所見」(1998年6月)においては「勧告」が2カ所・「懸念」が5カ所、「人種差別撤廃条約・総括所見」(2001年3月)においては「勧告」が8カ所・「懸念」が1カ所、さらに委員会は「この条約に関連した日本の法律規定が憲法14条しかないことを懸念し(条約の規定と一致した)特別な法律の制定が必要であると信じる」とまで踏み込んだ表現をしています。 ■条約コンプライアンスと国連常任理事国 評価とは人であれば他人、国であれば外国がするものではないでしょうか。もしわが国が子どもの権利条約・人種差別撤廃条約はじめ様々な条約において日米安保条約と同じ水準でコンプライアンス意識があれば、おそらく、とうの昔にわが国は国連常任理事国入りを果たしていたのではないでしょうか。ODAで景気良く金をバラまいても結局は感謝されず、わが国の重大問題である北朝鮮拉致問題にしても金正日に苦言を呈してくれたのはモンゴル一国だけ、日本の悲願ともいえる国連常任理事国入りが今の今でもならなかったのは、わが国の条約遵守・コンプライアンス意識、社会的責任が他国から評価されなかったから、と思えてなりません。 ■マザーズ・マインド・スピリットとコンプライアンス 私が掲げるマザーズ・マインド・スピリット、その根底には“アジアへの恩返し”があります。第二次大戦後私たちは確かに高度経済成長を遂げました。ただわが国の高度経済成長は超大国・戦勝国アメリカによって米ソ冷戦におけるアジアの防波堤に選ばれたお陰、米ソ冷戦下におけるアジアの戦争現場、朝鮮戦争・ベトナム戦争の前線基地・補給基地に選ばれたお陰、アジアでの戦争の軍需特需のお陰の側面はなかったでしょうか。“高度成長はアジアの犠牲のお陰、従ってアジアへの恩返し”という表現は100%適切とは言えないことも、戦後頑張ってきた私たちの先達への礼を失することも承知しているつもりです。 但し、マザーズ・マインド・スピリットにはアジアの人々の苦悩や痛み、私たち日本人の苦悩や痛みをも遵守すること・調和すること(コンプライアンス)が含まれていることを理解いただければ望外の幸せです。 加藤尚彦のCSR:民主党政権は、条約を遵守し・条約を締結した国々と調和します。 |
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