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加藤尚彦・外交CSR:神奈川・横浜から真の国際人の創出を
日本人のためのインターナショナル・スクールの設立を

■インターナショナル・バカロレアと大村はま
 インターナショナル・バカロレア(International Baccalaureate“IB”)という言葉をご存知でしょうか。インターナショナル・バカロレアはインターナショナル・スクールと呼ばれる小学校・中学校・高等学校教育の教育カリキュラム基準です。企業が国際社会で企業活動を続けるための基準が国際会計基準とすれば、学校にとってのそれは国際教育カリキュラム基準・国際教育基準というものかもしれません。おそらく世界でもっとも国際教育基準に近い存在がインターナショナル・バカロレアといえます。インターナショナル・バカロレアを司る国際機関はインターナショナル・バカロレア機構(IBO)であり、IBOの本部はスイス・ジュネーブです。IBOにはアジア支部もありますが、残念ながらそれは日本ではなくシンガポールにあります。
 インターナショナル・バカロレアは「他人を尊重し相互理解を深めることができる人を育てること」を目標としています。大村はまさんの「考える力、議論する力を高め、新しい民主主義の時代を担える人を育てることが目標」と非常に近いとおもいます。また、教師の役割についても大村はまさんの“仏様の指”と共通するものを感じます。さらに、生涯一教師を貫いた大村はまさんには、戦争の反省、戦争を止めることのできなかった教師の反省が強くにじみでているとおもいます。この点もインターナショナル・バカロレアに共通するものを感じます。

■第二次世界大戦・欧州の反省:つまるところ教育
湘南国際村にて
 まずインターナショナル・バカロレアの生い立ちを簡単に説明させていただこうとおもいます。第二次大戦後、同じ戦勝国でもアメリカが繁栄したのに対し、欧州は富を失い疲弊し、さらには東西に分断されてしまいました。戦争は何もよいことはないし、避けなければならない。戦争を避けることには何が必要か。まずひとつめに欧州を“統合”すること、もうひとつはヨーロッパ各国が“相互理解”すること、との結論に至りました。“統合”に関しては1950年ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体を端緒とするECC、EC、 EU統合、EU通貨統合への流れです。“相互理解”には何が必要か。「とどのつまり、やはり教育」という結論がでました。では文化も歴史も違う各国が相互に理解する教育には何が必要か。それは教育における基準・規範が必須。1951年国際学校協会(ISA)が設立されました。(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体が設立された1950年の一年後です)以後各国が議論を続け1957年「ヨーロッパ学校バカロレア規約(学校設立の指針)」が調印され、1968年IBOが非営利教育機関としてジュネーブに設立されました。IBOではインターナショナル・バカロレアという教育カリキュラムを開発し、常にバージョン・アップしてきました。2005年5月現在世界120カ国1,554の学校がインターナショナル・バカロレアを採用し、IB校として認定されています。この意味でIBは教育の世界標準・国際教育基準といって間違いありません。
 インターナショナル・バカロレアにはヨーロッパの英知と反省が結集されています。さらには世界がそれを採用しています。さらにインターナショナル・バカロレアは国際化するヨーロッパの経済活動と表裏一体となって発展してきました。いまわが国でも教育改革が叫ばれています。一方、国際化が叫ばれています。コミュニティ・スクール寺子屋論でも述べましたが、教育はすでに民間に“大政奉還”されています。

■国際教育基準・真の国際人の創出
 今教育の荒廃・教育の危機がいわれていますが、あたかも国際会計基準を採用した日本企業がそうであったように、真の国際人を育てるためには、国際教育基準の則った学校が必要ではないでしょうか。インターナショナル・バカロレアという国際教育基準に則った学校ができればわが国の小学校、中学校、高等学校教育を変えていくことができると考えます。
大阪 千里国際学園にて
 元はといえば欧州から生まれたこのインターナショナル・バカロレアという国際教育基準は、常にバージョン・アップ、基準そのものの改善をしています。国際基準は唯々諾々と遵守すればよいものではありません。国際社会に本当に参画するのであれば、わが国は国際基準創りにも積極的に参画すべきです。よいものはよい。「大村はま教育論」も世界の教育の場に提供できなければ、MOTTAINAI!話だとおもいます。
 ただし、残念なことにインターナショナル・バカロレアに則った学校が日本にはあまりにも少なすぎます。これでは世界の教育基準創りへの参画もありえません。まずはインターナショナル・バカロレアにそった学校:インターナショナル・スクールを神奈川・横浜に作ることを提言します。国・教育行政もかなり柔軟な姿勢を見せ始めています。例えば構造改革特区の制度に則って、新しい公設民営・公私協力学校法人という形で特色ある学校が設立できるようになりました。
 国際教育基準創りに参画するためにも、まずは、インターナショナル・バカロレアに則った国際学校を創ること。その実績をもって世界に向けてアピールすること、それが回り道のようで、結局は近道ではないでしょうか。
大阪 千里国際学園にて
 繰り返しとなりますが、大村はまさんの「考える力、議論する力を高め、新しい民主主義の時代を担える人を育てること」、これは世界の国に受け入れられる立派な正論です。
 わが国が本当に国連常任理事国入りを希望し、本当にリーダーのひとつとして国際社会への貢献を望むのであれば、教育に限らず健康、環境、経済、文化、さまざまな分野で基準創り、規範創りを他国任せ、ヨーロッパ任せ、アメリカ任せにするべきではありません(さらにいえば外務省任せ、行政任せにするべきではありません)。様々な日本人が国際基準創りに積極的に参加するべきではないでしょうか。
 わが国が教育の国際基準創りへ参画すること、それこそが韓国や中国ともわが国の教科書問題を国際社会の中で議論する、いい機会ともなるのではないでしょうか。
 IBO(インターナショナル・バカロレア機構)のアジア支部はシンガポールにあります。教育立国を標榜する日本はそれでよいのでしょうか。知事・市長が先頭に立って神奈川・横浜へのサミット(先進国首脳会議)誘致することはもちろん大賛成です。ただしサミットに限らず、教育や健康、文化や芸術の国際会議・国際機関の誘致などを神奈川県民・横浜市民が積極的・継続的に後押ししてはじめて真の国際県神奈川、真の国際都市横浜といえるのではないでしょうか。
 それには一にも二にも人材、第二次大戦後ヨーロッパが至った結論「とどのつまり教育」ではないでしょうか。真の国際人、さまざまな国際基準創りなどにも臆することなく参画できるような人材を神奈川県から創出していくことが一番の近道ではないでしょうか。

静岡 沼津加藤国際学園にて
加藤尚彦CSR:首都圏初、構造改革特区制度に則ったインターナショナル・バカロレア・スクールを神奈川県に創ることを提唱します。

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