加藤尚彦・教育のCSR:コミュニティ・スクール寺小屋論 No Dropout is Possible ひとりもおちこぼれをださない
私は横浜市会議員当時からこどもの教育における「読み・書き・そろばん」の大事さを主張してきました。昨年コミュニティ・スクール法が施行されると「コミュニティ・スクール寺子屋論」を展開してきました。その最大の理由は、コミュニティ・スクールに先人の知恵である寺子屋を活かすことこそが、加藤尚彦のCSR:No Dropout is Possibleひとりもおちこぼれをださないに結びつくと考えるからです。中間報告では、まず加藤尚彦「コミュニティ・スクール寺子屋論」を紹介させていただきます。(2004年12月発表の論旨にそって)
■コミュニティ・スクールの導入:義務教育の大政奉還!
2004年第159国会において、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案」通称コミュニティ・スクール法が通過しました。我が国は明治5年(1873年)学制頒布、明治11年(1884年)教育令制定、明治13年(1886年)小学校令・中学校令さらには戦後昭和22年(1947年)の教育基本法、学校教育法等々、その功罪・善悪はともかく一貫して国民皆学、画一的ながらも平等な義務教育制度を築きあげてきましたが、このコミュニティ・スクール法の導入は学制頒布以来、戦後の民主化教育も含め、計130年以上おしすすめてきた義務教育政策において「明治維新」級の大変革と考えてよいとおもいます。コミュニティ・スクール法の思想を一言でいうと「『官』から『民』への大政奉還」、義務教育における『官』の主導権は“コミュニティ”すなわち『民』へ移行されるということです。
文科省によればコミュニティ・スクール法のねらいは「学校運営協議会を通じて、学校運営に地域住民や保護者が参画することにより、地域の実情に応じた特色ある学校づくりを実現すること」です。 具体的には、1.地域の力を学校運営に導入することを通じて学校運営の活性化を図り、2.地域住民や保護者の参画により校長の学校経営を支援し、3.外部講師やボランティアの依頼等、地域の協力を得やすい環境を構築することとし、地域住民や保護者が参画する学校運営協議会の役割は、1.校長が作成する学校運営の基本的な方針について承認を行い、2.教職員の任用に関して任命権者である教育委員会に意見を述べ、3.教育委員会はその意見を尊重して教職員を任用する、とあります。地域住民は、地元の公立小学校中学校の学校経営に参画し、新しい教師を選び、教材を選ぶこともできます。さらには校長の選任にも関与し、おそらく近い将来、教育委員会にも直接参画することになります。また学校運営委員会委員の立場は地方公務員法上の特別職・地方公務員となります。保護者、地域の皆さんが「基礎教育を徹底する学習を実施したい ・地域ボランティアを活用したい ・地域での体験活動を実施したい ・地域色豊な教育を実施したい」と考えれば、地方公務員法上の特別職・地方公務員である学校運営協議会の委員となって学校の運営に参画することができます。
これは、すでに法律として決まったことであり2004年9月から日本中34,767校の公立小学校、中学校をこのようなコミュニティ・スクールとして皆さんが運営に参画することが法律的に可能です。国の教育行政は義務教育費の国庫負担は継続しつつ教育の不公平を調整するに留まります。これはまさに「義務教育の大政奉還」以外の何ものでもありません。皆さん、公立学校におけるこの現実をご存じでしょうか?さらには「義務教育における国庫負担の大原則は堅持」されます。これはいうなれば『金は出すが口は出さない』ということです。私は民主党に属し且つ衆議院文部科学委員会に属する国会議員ですが、文科省のこの“英断”を高く評価します。教育関係者には“まず全国47都道府県に1校づつモデル校を創って……”といった意見もあります。おそらく、一度動き出した変革の大波は誰も止めることはできません。コミュニティ・スクールの場合には例えば日産を改革したカルロス・ゴーンさんのようなスーパースターは必要ありません。ただ“地域のこどもは地域で守る!”“地域からひとりも落ちこぼれを出さない”子どもを思う多くの地域の皆さん自身が地元小学校中学校の「学校運営協議会」に参画することによって、皆さん自身の手で教育の大変革を進めることができます。 >>次へ
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