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加藤尚彦・CSR:
マザーズ・マインド・スピリットを政治に
“モッタイナイ”を日本から

 “モッタイナイ・運動”をご存じでしょうか。は2004年ノーベル平和賞を受賞されたケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイさんが提唱されている活動です。私はマータイさんの“モッタイナイ・運動”に賛同します。

■謝辞
 2005年2月21日昭和女子大学人見記念講堂で催された「マータイさんといっしょに私たちの地球を考えよう」の講演のようすを掲載させていただきました。掲載を快諾いただいた昭和女子大学には感謝いたします。

2005年2月21日 ワンガリ・マータイさんの講演(昭和女子大学人見記念講堂)より
■きっかけ
 30年前のこと。メキシコの国連女性会議で何を話すかを、小さな部屋で仲間たちと打ち合わせをしていた時です。農村部の貧しい女性が、自分たちの生活の苦しさを訴えました。
 「村にはきれいな飲み水がない。食べ物も少ない。火をおこす薪も足りない。お金がないので子どもを学校で学ばせたり、制服を買ってあげることさえも難しい」
 当時、私はナイロビ大学で教鞭をとっていましたので、このような境遇ではありません。だから、「私たちにはどうすることもできない」と答えるのは簡単でした。けれども、私は彼女たちの声に真剣に耳を傾けたのです。話を聞くうちに、農村部の土壌が劣化したことが原因だとわかりました。そこで、「植樹はできますか?皆さんで木を植えることはできますか?」と聞きました。木を植えれば薪ができます。エネルギーが手に入ります。土地を緑化すれば、土壌の浸食を食い止められます。再びきれいな水が戻るかもしれません。アフリカでは木の成長が早いので、もしかすると木材を売ってお金を稼げるかもしれません。しかし、女性たちは「植林なんて素人にできるはずがない。大学で専門に学ばないと方法さえわからない」と答えました。そこで、専門業者の指導を受けて木を植えようということにしました。
 しかし、専門家の話はあまりにも難しく、誰もが不安になりました。自分たちには、とても出来そうにありません。
「私たちは種をまけば芽が出て、作物が育つことを知っている。とりあえずそこから始めましょう」
 挫折しかけた皆に向かい、私はそう言いました。自分たちの手で木を植えることにしたのです。種から苗木を育てて、それを色々な場所に移植しました。最初に植えた木は7本。それが今では3千万本を超えました。いま、この瞬間も誰かがどこかで木を植えています。参加者も4人、5人、10人と増え続け、何万人もの活動になりました。

■成果
 小さな活動は、徐々に大きな運動に発展しました。最初は私や経験を積んだ女性たちが植林の方法を教えていました。やがて、お互いに教えあうグループを形成するようになりました。そして、今や、6千以上のグループでこの植林活動を展開しています。木を植える場所も変わっていきました。個人の家だけでなく、もっと大きな土地にまで広がっていったのです。何もなかった土地が10年で一変しました。緑が増えたのです。草や木が繁り、そして鳥が戻ってきました。走り回るウサギも見るようになりました。木陰ができて、空気がきれいになり、きれいな川が戻ったのです。環境は変わりました。最初、自分たちにそんな力があるとは思っていませんでした。
 しかし、木が育ち、景観が変わり、鳥が羽ばたき、川が澄むのを見て自分たちの力を信じ始めたのです。勇気とエネルギーが湧き起こりました。もっと出来ることはないか。近所で声を掛け合って、もっと木を植えようという積極的な気持ちになりました。今も一生懸命になって木を植えていると思います。木を植え、水をやり、自分たちに出来ることをしているのだと思います。

■もったいない
 大切なことは、使う資源は削減し、使ったらそれを再利用することです。
 「3つのR:リデュース、リユース、リサイクル(減らそう、再利用しよう、再生しよう)」という3R運動というものがあります。この前「もったいない」という日本語を使うのをききました。初めて聞く言葉でした。「もったいない」という日本語の意味は「減らそう、再利用しよう、再生しよう」を、そのまま表していると思います。
 この「もったいない」という日本語を、私は世界に紹介していこうと思います。日本の文化が生んだ、すばらしく豊かな表現なのです。
 皆さんのような若い方々に、この「もったいない」という気持ちの実践方法を考えていただきたい。皆さんも木を植えることで環境を保護してほしい。京都議定書を支援してほしいと思います。ケニアでも若い人にメッセージを発信するつもりですが、皆さんもこの「もったいない」を実践してくださるなら手をあげていただけますか?
<人見記念講堂の人々と一緒に、加藤尚彦も手をあげます!>
 ありがとうございます。本当にありがとうございます。うれしいです。
 手をあげてくださった方が多かったので、私の弟子が日本でもたくさん誕生したことがわかりました。
 これから出逢う人たちに、メッセージを伝えてください。ご両親だけじゃなくて、日本だけでなくて、世界に向けて「減らす、再利用する、再生する」ことで「もったいない」を伝えてください。これからもアフリカの子どもたちに木を植えることを勧めたいと思います。それが彼らなりの「もったいない」の実践なのです。こうした小さな努力から、いつのまにか世界全体に「もったいない」活動が拡がるのです。とりあえずできることから始めましょう。
I’m doing what I can!
 皆さんにも一緒に「もったいない」という言葉を声に出してください。
MOTTAINAI!

ワンガリ・マータイさんの言葉(映画「静かなる革命」より)
「人間は、さまざまな問題を、地球規模の大きな次元でとらえてしまうと、無力感を覚えてしまうものです。しかし、身近なところから行動を起こしていくことで、力を発揮していくことができるのです」
「私達は、自らの小さな行いが、物事をよい方向に変えていることを知っています。もし、この行いを、何百万倍にもすることができたなら、間違いなく世界を変えることができるのです」

 ワンガリ・マータイさんの言葉は加藤尚彦Mother’s Mind Spirit, No Dropout is Possible.にも通じるものを強く感じます。モッタイナイ!これこそが今まで政治に欠けていたこと、これからの政治に必要なことではないでしょうか?
 加藤尚彦からマータイさん、マータイさんに賛同する皆さん、マータイさんのお弟子さんへのCSR:モッタイナイ、の声を出し続けます。
 MOTTAINAI!という日本発の言葉を世界に紹介していきます。

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